活動会員のレポート

兵庫国際交流会館での活動

関西デスクコーディネーター  鹿志村 かしむら かおる (元 住金物産)

日本語広場


日本語広場

 2015年5月から開始したABIC日本語広場は、2018年度に受講者数は延べ2,126人と過去最高を記録した。2020年度は新型コロナウイルス感染拡大で1,067人と半減したが、2021年度は1,562人とやや持ち直し、コロナの規制が全面的に解除された2022年度は1,817人まで回復している。2023年度は前年を超える受講者数が見込まれる。
 2023年度下期は前年より多くの学生が入館した。アフリカからの学生が多く、次いで中東、南アジア、南米からで、中国、韓国、台湾などからは以前より少なかった。アフリカ、中東からの学生は初級クラスを受講するのが一般的であり、受講者数は着実に増えている。また、出身国・地域を問わず、退館後もさらに日本語を学ぶため受講を継続するケースや、友人を誘って受講するケースも少なからず見受けられる。日本での就職を目指し、そのために日本語能力試験でN2を取得すべく熱心に受講する学生が増えている。N2取得済みの上級の学生にも、就職に役立つ講義内容になっており、この傾向は今後も継続すると思われる。

日本文化教室


書道教室

 2022年度より対面授業になりクラスに活気が戻っている。人気のある華道は、修了証の取得に向け熱心に参加する学生が多い。受講者は中国、台湾、米国、英国、そしてコートジボワール、ベニンなどアフリカからの学生も参加している。すでに華道の極意を理解している受講者も多く、自分の仕上げた作品について自信を持って説明する者が出ている。
 空手は、アフリカ出身の兵庫国際交流会館(HIH)のOBは相変わらず熱心に参加し、講師の指揮下、積極的に後輩の指導に当たっている。常連が多い中、前期は女子学生が参加し華やいだ雰囲気になっていたが、その女子学生たちが卒業したため新たな参加者が待たれる。
 書道は、熱心なタイと中国からの学生数人だったが、このところ非漢字圏のベニン、エジプト、ベトナム、インドネシアからの学生が熱心に参加している。彼・彼女らは、日本語広場では漢字に苦労しているが、書道で漢字に接することで苦手意識を払拭してもらいたい。

秋期新入館生ウエルカムパーティー


新入館生ウエルカムパーティー

 2023年10月、コロナで中止していたウエルカムパーティーが4年ぶりに開催された。冒頭、吉野館長から「HIHには51ヵ国170人の留学生が居住している。お互いにそれぞれの国の文化を理解し有意義な生活を送ってほしい」とのあいさつがあり、続いて在館生、新入館生の代表のあいさつ、RA(※)の紹介などがあった。その後、和太鼓の演奏が披露され、会場は大いににぎわった。今回、来賓としてABICのほか、神戸大学、関西学院大学、関西国際大学など留学生を受け入れている大学の関係者、大学コンソーシアムひょうご神戸、兵庫県国際交流協会、各種NPO法人の関係者が招待された。ABICからは岩田事務局長も参加し、ABICの日本語講師10人および関西デスクのコーディネーターとも歓談した。会場では、ABICのチラシと登録票を新入館生に手交して日本語広場・日本文化教室への勧誘を行った。
 ところで、ABICのもう一つの留学生支援活動であるバザーは、2022年度は中止していたが、2023年度は5月に続き11月も実施の予定である。

(※)RA(Resident Assistant):HIHに居住し、同館に入居する外国人留学生などの日常生活や勉学上のサポート