活動会員のレポート

2023年度より中小企業支援、中高・大学院にての講師等を経験

  荒木 あらき 康文 やすふみ (元 伊藤忠商事)


和歌山県立向陽高等学校での講義風景
(スクリーン下に立つのが筆者)

 私は2021年5月末にABICの活動会員として登録し社会貢献の機会を望んだが、残念ながらコロナ禍の真っただ中でABICからの案件紹介も減少し、活動の機会をつかめずにほぼ2年間を過ごした。
 コロナ禍が終息に向かった2023年には4案件を頂戴し、そのうちの1案件は今も継続して遂行中である。それは2023年6月から東大阪市産業創造勤労者支援機構 モノづくりワンストップ相談窓口 企業支援コーディネーターとしての業務である。企業支援コーディネーターは東大阪市内企業の国内販路開拓支援および新規事業に対するマーケティング・ニーズ調査支援を主たる業務とする。半年強で既に60社以上の相談を受けた。同支援機構のモノづくりワンストップ相談窓口には、企業支援コーディネーター以外に、技術コーディネーター、(海外)販路開拓コーディネーター、東大阪ブランドコーディネーターが在席する。
 私自身2016年前半より中小企業に勤務していることもあり、このような社会貢献としての中小企業支援コーディネート業務は私の興味の中心に据えられており、コロナ禍で遮断された折衝対応が復活した今日、大いに有意義な活動ができていると考える。その意味でもABICからのご紹介に感謝する次第である。
 次に、2023年2月と3月に和歌山県立向陽中学校と同高等学校で講師を務めた。同中学校は3年生70人を対象に、また高等学校は1年生280人を対象に、「ロシアとウクライナについて」のタイトルでお話しし、皆さんに真剣に聞いていただいた。中学生の部は、できるだけ易しく、ロシアの「いろは」的な映像・画像をふんだんに利用しお話しした。高校生の部ではロシア・ウクライナの戦争が2国間だけの話ではなく米国の関与も関連している点を分かりやすく取り入れてお話しした。
 この案件を頂いた際は、Z世代の方々にどういう風にお話しすれば良いか悩み考えたが、結果的に映像・画像をふんだんに利用したことが話を分かってもらえることにつながり、安堵感を覚えた。私の印象では皆さん学習意欲が高く、後から授業感想文を見て内容把握が的確だったのに感心した次第である。
 さらに、2023年5月にUNIDO東京投資・技術移転促進事務所主催の「バングラデシュ・セミナー&商談会」にて日本企業とバングラデシュ企業との商談会の通訳を含むマッチングアシスタントを務めた。バングラデシュから20社弱の企業が参加、私は大阪の環境バランス理論技術を保有する会社と食品環境技術を保有する会社のマッチングを担当し、特に環境バランス理論技術の会社には「ぜひ英語によるまとまった説明資料を作成されるべき」とのアドバイスも行った。
 大阪の企業が欲するニーズにぴったりマッチする相手企業が参加していなかったので難しかったが、ABIC会員として初のマッチング業務に携わり良い経験になったと考えている。
 最後に、2023年12月に京都外国語大学大学院 秋期講座「国際ビジネス研究II」にて「ロシアの現状と世界に与える影響」のタイトルで講師を務めた。受講生は、言語文化コース ヨーロッパ・ラテンアメリカ地域専攻の2人、同 東アジア地域専攻の中国人留学生2人、同 観光文化研究の1人、実践言語教育コース 日本語教育の1人の計6人であった。
 前述の和歌山県立向陽高等学校での講義内容をさらに深堀りした形で、ロシア・ウクライナ2国間関係だけでは語れない国際関係の枠組みの中での2国間関係についてお話しした。シカゴ大学国際政治教授のビデオトークを取り入れたほか、ロシアの国民性をロシアの国際政治教授のコメントも取り入れて解説した。6人の受講生の皆さんに真剣に聴き入ってもらったことは貴重な体験であった。
 以上、2023年の活動を振り返り、改めてプレゼンテーション・説明の仕方について自分なりの学びもあり、受講生の理解に感謝の意を表したい。
 東大阪市産業創造勤労者支援機構の企業支援コーディネーターとして引き続き活動しながら、今後さらなる講義活動も活発に行っていきたいと考えている次第である。