マンスリー・レポート No.20 (2002年6月)
活動会員のレポート
  ドミニカ共和国便り(上)
    ―ジパングの婚姻事情―
    高田 弘(元 三井物産 在サン・ペドロ・デ・マコリス)

 私は現在、カリブ海に浮かぶドミニカ共和国のサン・ペドロ・デ・マコリス市役所の環境行政の指導を行っている。ABICの紹介でJICAシニア海外ボランティアに応募、昨年8月当国に赴任した。

 コロンブスが西インド諸島を発見し、現在ドミニカ共和国のあるエスパニョーラ島に最初の基地を置き、亡くなるまで「黄金の国ジパング」だと信じた(信じようとした)経緯がある。

サミー・ソーサ選手の
かつての自宅前に
バットを持って立つ筆者

 同市は、首都サント・ドミンゴの東約70キロに位置し、人口約20万人の工業都市であるが、何と言っても米国大リーグ選手の主要出身地として有名である。大リーグのドミニカ人選手70余名のうち、日本でも有名なサミー・ソーサ選手をはじめとした同市出身者21名が現在活躍している。また、広島カープの野球学校も同市内にあり、「ヒロシマ・トーヨー」といえば市民の誰もが知っている存在である。

 さて、当国に来てまず驚かされたのが、兄弟の種類がやたらに多いことである。例えばある家族に兄弟が6人いるとしよう。ところがその兄弟の両親の組み合わせが、日本では考えられないほど多様なのである。6人のうち同じ両親の子供が2人であり、あと4人の両親の組み合わせがそれぞれ別であることなどは日常茶飯事である。つまり男女が結婚しても一方が嫌になればすぐ別れ、また別の相手と結婚してしまうということが際限なく繰り返され、上記のように6人兄弟で両親の組み合わせが5通りもあるなどといった状態になるわけである。

 それ以外の要因として、仕事は男女平等で女性の経済的地位も男性と同等にあり、相手が嫌いになれば心配なく離婚できること、さらに話によればこの国のカソリックの神父も、人生は一回限りでやり直しができないので、相手が嫌になれば離婚するよう奨励(?)しているフシもあるとのこと。

 以上の次第で母子家庭が非常に多く、女性の経済力と、途上国の常として親類縁者間(離婚しても援助はするので親族が多くいる)の相互扶助の習慣もあり、社会的混乱もなく皆が一応幸せに暮らしていると言えよう。

 しかし、私の家内は「これほど結婚と離婚を繰り返すのでは動物と人間とどこに差があるのかよく判らない」と言っている次第。こんな状況をわれわれ日本人はどう考えたらよいのか? 読者の皆さま、いかがお考えでしょうか。ひとつのテーマとして一度考えてみる価値もあるようにも思われる。

 次回は、“ジパングの環境事情”について記すこととしたい。

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