マンスリー・レポート No.25 (2002年12月)
活動会員のレポート
  ハノイ、ホーチミンでの「ベトナム人材育成セミナー」で講演
   

湯浅 康生(元 三井物産)

 現在、私は千葉県の外郭団体である(財)千葉県産業振興センターの国際化コーディネーターとして週3日間の嘱託勤務の傍ら、ABICおよびキャリア開発関連NPOの活動を行っている。

 10月にABICから、ハノイ、ホーチミン両市で開催されたベトナム人材育成セミナーの講師の話があり、貴重な体験をした。本セミナーは、日本経団連とベトナム商工会議所との日越合同経済委員会によるもので、日本経団連がベトナムに対する人材育成や裾野産業育成のためのプログラムとして提案し合意を得たものである。本年2月に第1回目を実施し、今回は第2回目である。第1回は「日本経済の現状と展望、海外投資戦略について」と題するグローバルなテーマであったが、今回は「日本市場へのベトナム産品の輸出可能性について」という、より具体的なもので、ベトナム商工会議所の会員企業に対し、英語での講演および質疑応答を行うものであった。

 ABICからの同セミナー講師募集に即決で応じたのは、年初に厚生労働省の外郭団体から委託された「能力開発支援アドバイザー養成講座」の2日間のコースで2回、約180名の受講生に対して講義を行い、人材育成につき理解を深めたばかりであったこと、さらにまたタイミングよく9月末に、千葉県産業振興センターが国際化プログラムの一環としてベトナム大使館と協力し、「ベトナム・ミッション企業との商談会」を開催することになっていたので、これが活用できると思ったからである。同商談会は当初の予想を超える盛況で、ベトナムからの派遣企業19社に対し、地元千葉で商談を希望する企業が平均5社以上あり、結果としてこの熱気をベトナムに持ち込むことができた。英語の方も最近は使う機会が多く、かつての英国駐在時のレベルを少しでも取り戻すべく、このところ研鑚に努めていたところであった。講師には、私と西友ハノイ社長の荒川氏(三菱商事より出向)が選ばれた。

ハノイでのセミナー
ホーチミンでのスピーチ

 現地でのセミナーは、ベトナム商工会議所トップの熱烈な歓迎の辞とともに開始された。準備した教材では、特に雑貨およびアパレルに関し、統計資料を取り入れながら日本の輸入市場の特徴や流通チャンネル、日本市場進出の要点等を分かりやすく解説した。

 セミナー参加者は両市とも120名を超える盛況で、質問も相次ぎ、特にハノイでは、段ボールいっぱいの自社製品(果物ビン詰め)持参の参加者もいた。荒川氏がこのサンプルのうちの2品目を同社の新規取り扱い商品として即決するなど、参加者にとって嬉しいアクションもあった。

 ハノイでは、セミナー翌日の「ラオドン(労働)」という新聞の1面に、日本経団連および私の記事が載り、また、3面にはベトナム語で講演をした荒川氏が写真入りで紹介された。

 参加企業の大多数は、自社商品の日本への売り込みに協力してほしいとの要望が主で、そのための信頼できる流通チャンネルの窓口情報に飢えていた。現地での「日本株式会社」の総合メニュー構築が急務であると痛感した次第である。

 帰国後、現地企業からのEメールが相次いでいるが、それに対処するため、現所属のウェブサイト内に専用コーナーを設置し、千葉県の地元企業にベトナム情報を発信することにした。現地で配布した英文の「Support System」には、ABICやJETRO千葉との連携についての説明もあり、地元中小企業支援の面で、今後の成果に期待している。

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