マンスリー・レポート No.32 (2003年7・8月)
活動会員のレポート
  国連WFP協会シニア・マネージャーに就いて
   

新田 充成(元 三井物産)

 国連WFP協会(JAWFP)は、国連機関の世界食糧計画(WFP:World Food Programme)日本事務所の活動を日本国内で支援する目的で2001年10月に設立されたNPO法人である。当座は国連職員が協会職員を兼務していたが、協会の正職員第一号として本年1月にシニア・マネージャーに就任した。ちょうど人生第二クールの過ごし方を思案していた折から、一般メディアの求人広告と並行したABIC経由の募集案内を見て応募した。

 WFPは、世界から飢餓と貧困を撲滅し、人々の自立と生活向上をめざして1961年に設立された国連機関。イタリアのローマを本部とし、6連絡事務所(ジュネーブ、ニューヨーク、ワシントン、ブリュッセル、コペンハーゲン、横浜〔1996年開設〕)、6地域事務所および82現地事務所を置き、職員8,000人を擁する世界最大の食糧援助機関である。運営委員会は36メンバー国で構成、運営資金は各国政府からの任意拠出金と民間団体・企業・個人からの寄付金で賄われている。近年はアフガニスタン、北朝鮮、スリランカ、イラク、アフリカ諸国等において戦争、紛争、自然災害等により発生している難民・国内避難民に対する大規模な食糧援助を実施する等、世界の飢餓・貧困撲滅のため、職員の90%を現地に張り付けて援助活動を展開している。2002年には、世界の82ヵ国で7,200万人を支援、年間支援活動支出額は16億米ドルであった。

食糧の配給
(アフリカ・ブルンジ)
配給された食糧を
持ち帰る子供たち
(東チモール)

 政府との連絡調整を主務とするWFP日本事務所に対し、JAWPFは民間部門において啓蒙活動を通じた協会の会員拡大と募金集めを主たる事業とする。具体的な活動としては、(1) 日本国内における世界の食糧援助問題に関する情報提供・啓蒙(ニュースレター発行、学校・市民団体・NGO等に出向いての活動説明会実施等)、(2) WFPに対する情報・資金提供とそのための募金活動、団体・企業・個人への支援要請、および (3) これらに資する事業(グッズ販売、イベント企画等)を行っている。

 目下、イラク危機対応に活動の多くが割かれているが、本年のWFPのメインテーマはアフリカである。特にサハラ以南と北東アフリカ地域を中心に飢餓の脅威にさらされる人たちは4,000万人に達しようとしている。アフリカの危機救済を視野に入れたアフリカ開発をテーマとして、本年10月にTICAD III(日本政府主導による第3回東京アフリカ開発会議)が開催されるが、当協会もキャンペーンを行う予定である。また、11月には国連大学ギャラリーにおいて飢餓の子供たちを救うための学校給食キャンペーン写真展開催をはじめ種々活動を予定している。

 今、世界の飢餓人口は8億人、そのうち2万4,000人が毎日死んでいる。5歳未満の飢えている子供たちは2億人、その3分の1は学校にも行けずに、5秒に1人の子供が死んでいる。一方、世界の年間食糧総生産量は総需要を十分賄うだけの量があるが、世界人口の20%にすぎない先進国で、総食糧生産量の60%を消費し、その3分の1が食品ロス(食べ残し・廃棄)として捨てられている。日本だけみても、年間700万トンの食品ロスを出しており、これは世界の食糧援助総量の70%にあたる。1,000円をセーブすれば、飢えている人たち33人に1日分の食事を、4,000円で一人の子供に1年間学校給食を与えることができる。

 「飢えに苦しむ人たちに募金を」、と言うとなかなか募金は集まりにくいものだが、毎日の生活の中でほんのちょっと留意すれば、相当数の人たちを救うことが可能になるということを知ってほしい。そのための啓蒙活動を日々展開している。関心のある方は、ぜひ当協会のホームページをのぞいてみていただきたい。
URL: http://wfp.or.jp
e-mail: jawfp-info@wfp.or.jp

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