マンスリー・レポート No.35 (2003年11月)
活動会員のレポート
  中小企業の「救世主」ビジネスナビゲータ
   

東京都中小企業支援センター ビジネスナビゲータ 清宮 信男(元 住友商事)

 私の名刺の肩書きは落語の「じゅげむ」を思い出すほど長い。「財団法人 東京都中小企業振興公社(東京都中小企業支援センター)中小企業ニューマーケット開拓支援事業 ビジネスナビゲータ」。
 この事業は、東京都の2003年度の重点事業の一つとして、石原都知事の発案により「東京都内中小企業を活性化して、東京発信で日本を元気にしよう」との主旨で4月1日からスタートした。

ABIC会員9名がビジネスナビゲータに:同公社が大企業のOB 60名を採用して、5班(各12名)に分け、都内中小企業23,000社の中で都が助成金を交付している600社ほどの優秀な製品、高度な技術力を商社・メーカー等に積極的に紹介することにより、新しい販路先の開拓を支援するものである。60名のビジネスナビゲータ(以下BN)は大手メーカーの技術部門・営業部門のOBと大手商社のOBで、ABICからも9名採用された。

企業訪問:BNは、東京都ベンチャー技術大賞入賞企業など各種助成金対象企業を訪問して、(1) 開発製品または技術に関わる具体的な取引マッチング支援、(2) 売れる製品・技術にするためのアドバイス等の支援、(3) 販路開拓、技術応用等の相談等を行う。商社OBの私は技術的支援はできないので、メーカーのOBの方とグループを組んで訪問した後、支援対象製品・技術のカタログを作成し、BN全員に配布する。それぞれのBNは人脈を活用して、販路開拓に努める。すでに200件以上のカタログが完成した。それぞれの中小企業は優れた技術・新製品を持っているが、営業・販路開拓のための担当者が不足している。中には社長1人、従業員0名で、訪問しても座る場所もないような自宅兼工場という会社もある。

班定例会議
製品説明会

班定例会議、製品説明会:各班は毎週1回、定例会議を行い、訪問した支援対象企業の新製品・新技術等の情報交換、販売へ向けての改善点や具体的販売先の開拓等の検討、公社事務局との情報交換等を行っている。
 また、支援対象企業の中には担当者に公社会議室に出向いてもらい、その社の製品説明をしてもらう場合もある。この説明会はすでに70回ぐらい開催されているが、毎回BNが30名程度参加して、熱心に意見交換している。新製品・技術に対する知識不足の私には、大変勉強になる有意義な製品説明会である。

グループウェアソフト「サイボウズ」が大活躍:ニューマーケット開拓支援事業では、グループウェアソフト「サイボウズ」を導入している。自宅と公社のパソコンのネット上で、スケジュールの管理や企業訪問の報告、BN同士の意見交換等に活用している。BN 60名および事務局との連絡はすべてネットで行うので、昼も夜も週末もパソコン相手に、現役時代よりもよく働いている。また企業訪問などで電車を利用するので、駅の階段の昇り降りで脚が相当鍛えられたとうれしい悲鳴を上げているBNもいる。
 任期である来年3月末までの残された月日を、BNたちは東京都の中小企業支援のため「救世主」となるべく日夜頑張ることであろう。

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