マンスリー・レポート No.64 (2006年4月)
活動会員のレポート
  ABICと私
    高橋たかはし 征三せいぞう(元 日商岩井)
宮城県内食品メーカーの水産加工工場を訪問
(筆者中央)

 私は1997年に35年間勤務した日商岩井株式会社(現在の双日株式会社)を退社し、現在のキーリサーチネット株式会社(Key Research Net Corp)を設立しました。日商岩井時代は、化学プラント、新事業などの業務を担当し、退社する直前4年間はジェトロ(日本貿易振興機構)の農水産部に出向し、日本向けに農水産物や食品輸出したいという海外の企業への、対日輸出のコンサルティングの仕事をしていました。日商岩井を退社するときに、ジェトロのような仕事が民間ベースで出来そうな気がしたため、今の会社を設立しました。そして欧米諸国やアジア諸国の企業の依頼を受けて、主に食品分野での対日輸出コンサルティングの仕事を行っています。

 ABICとの最初の仕事も、食品の対日輸出のコンサルティングで、ABICがジェトロから2004年秋に受注したアンデス地域の乾燥果実の対日輸出のコンサルティングの仕事でした。コロンビアおよびボリビア産の乾燥パイナップル・マンゴ・バナナ・ほおずきが果たして日本のマーケットに受け入れられるかという調査です。サンプルを日本の乾燥果実の輸入企業に持ち込み、評価をしてもらった結果、パイナップル・マンゴ・バナナは既に東南アジア諸国から数多く輸入されているので、可能性はほとんどないが、ほおずきはまだ日本に輸入されておらず、面白い商品であるとの評価を得て、現在2社が輸入を始めています。

 この乾燥果実のマーケット調査とほぼ同じ時期に、宮城県から宮城産の食品の首都圏でのマーケティングを行ってくれる人がいないかとの照会がABICにあり、「高橋さんやって頂けますか」との話がありました。私の専門分野は輸入食品のマーケット調査で、国産製品に関してはこれまでやったことはありませんでしたが、マーケティングの手法や潜在顧客は輸入品と共通するものがありましたので、お引き受けしました。

 関連メーカーは10社あり、これらのメーカーが作っている鯨やサンマ、めかぶの加工品などの水産加工品、牛タンカレーや赤豚のハム・ソーセージといった畜産加工品などの首都圏の卸企業、小売店、レストランなどへの売り込みです。対象のほとんどの商品は全て似たような製品が既に数多く首都圏のマーケットに出回っており、売り込みに苦労しましたが、鯨加工品とめかぶの加工品は、レストランや小売店に採用され、現在も続いています。

 現在マーケットに出回っている商品と競合する商品は、品質が飛び抜けて良いとか、価格が大幅に安いなどの特徴がないと首都圏の顧客はまずのってこないのですが、乾燥ほおずき、鯨加工品、めかぶ加工品といった、まだマーケットにあまり出ていないめずらしい商品には、輸入品、国産品を問わず、まだまだ大きなマーケットが潜在するということを、今回の調査を通じて改めて認識した次第です。

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