マンスリー・レポート No.73 (2007年1月)
  バイリンガル・ビジネス・アドバイザー

 外国企業支援担当コーディネーターとしての仕事は、日本の国際見本市に出展する外国企業への通訳者の紹介が主な柱となっている。

 通訳者と聞けば、20〜30歳代の女性をイメージする人が多いが、ABIC会員の通訳者は通常60歳以上の男性である。しかも恰幅が良すぎて嵩高い。しかし、クライアントの製品と業界について造詣が深いので(というより、そういう人を選んで紹介するので)、単に通訳だけではなく仕事のアドバイスもできるという利点がある。実は、これがABIC通訳者の最大のセールスポイントであり、低価格市場での競争相手である帰国子女などと差別化できる点でもある。このため「単なるInterpreter(通訳者)ではない」という意味で「バイリンガル・ビジネス・アドバイザー(BBA:Bilingual Business Adviser」と呼んでいる。

 しかし、見本市主催者や出展各社へのBBAの売り込みは簡単ではない。典型的な例だが、某大手見本市主催会社からは次の理由で断られている。ABICは、(1) 水準レベル以下の通訳者の混入を防止する品質管理制度がない、(2) クライアントが通訳者に会った直後に、語学力、性格、ルックス等を理由に受け入れを拒否して別の通訳者との取り替えを要求する場合の即応能力がない。

 だが、このことをもって当該企業が「出入りの通訳派遣会社と癒着している」と勘ぐるのは筋違いである。(1) については、ABICとしては「通訳可」と申告した会員の中から紹介するのだが、「通訳可」が自己申告である以上、実力にバラツキがあるのは避けられない。長らく使用しないでいるとレベルが低下するという問題もある。だからと言って、共通試験を頻繁に行うというのも非現実的である。(2) については、会員の中から適任者を見つけ出すのに通常eメールで連絡をとるが、急ぐときは電話することもある。しかし、留守の場合が予想外に多い。奥さんが在宅でも安心はできない。「国際社会貢献センターです」と名乗ったら、「間に合っています」、ガチャンとやられたこともあるぐらいだ。

 それはともかくとして、2006年10月に開催された「食品開発展」では、12名ものABIC会員がBBAを務めた。2005年の「健康博」に4名が参加した際、「歴史的快挙だ」と喜んで、各ブースを回ったのが、今となっては滑稽だったことになる。

 最近、BBAを務めた方の中には、特定のクライアントから毎回、指名されるため指名料(?)を取るようになった方や在日エイジェントの声が掛かる方も出てきている。ビジネス・アドバイザーとしての価値が認められた結果である。今後この傾向がいっそう強まり、ABICブランドとしての「バイリンガル・ビジネス・アドバイザー」が国内外で定着することを願っている。

(外国企業支援担当コーディネーター 大道おおみち 豊彦とよひこ

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