マンスリー・レポート No.74 (2007年2月)
活動会員のレポート
  中国人姉弟への日本語指導
  吉田よしだ あきら (元 三菱商事)

 ABICからご案内があり、外国人小学生の日本語指導という私としては初めての経験をさせていただきました。

 お預かりしたのは小5と小1の中国人姉弟で、アメリカで幼時を過ごしたあと昨年暮れ来日しました。母親の仕事の関係で転校することになり、私の授業は夏休みまでの半年で終わりましたが、この間に日本の学校生活にかなり馴染むことができたようです。

 はじめのうちは学校へ行くのをいやがることがありましたが、まわりから聞こえてくる会話の理解度が上がるにつれて元気よく登校するようになりました。彼らがこのように日本の生活に順応できてきているのは、彼らの資質が優れている(姉の楠ちゃんはもちろん、写真に写っている小1の桐君もあっという間にひらがなや数字を覚えてしまうなど)ためなのですが、それに加えてまわりの先生やクラスメートが彼らを温かく迎え入れようとしているのを印象深く拝見しました。というのは私は娘の学校生活を通して日米の児童教育の違いを強く感じていたのですが、今回このような情況をみて日本の教育環境もかなり良くなっているように思ったのです。

 私が小1の娘を連れてロスアンジェルスに転勤した32年前は、現地小学校のアメリカ人先生が放課後に英語の個人指導をしてくれて、知らないうちに学校生活にとけこむことができ、そういったやり方に感動し、また感謝したのです。ところが帰国してからの英語の授業は、娘の一番得意とする時間と思ったのですが、実際はその逆で一番いやな時間だったのです。よく聞いてみると彼女の発音が先生や級友に拒絶されて、日本式の発音にしないといじめられたり仲間はずれにされたりするというのです。懸命にジャパニーズイングリッシュの発音を練習していました。

 今回の日本語指導は、授業中のクラスから抜け出て個人レッスンをするというかたちで週2回各2時間の授業を行いました。半年という短い期間でしたが、読み書きはほぼできるようになりました。難しいのは会話で、とくに自分の口から日本語をしゃべることがなかなかできません。それでもあと半年も経てば様変わりとなり、転校する新しい学校には元気で通うことができると思います。

 ますます進む国際化の中で、不安をかかえてやってくる外国人児童をこういったかたちで受け入れ支援していることを知り、とても明るい気持ちになりました。

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