マンスリー・レポート No.79 (2007年7月)
  アルゼンチン業界ミッション関連の受託業務を終えて
  大道おおみち 豊彦とよひこ (前 ABIC外国企業支援コーディネーター)
(元 住友商事)
アルゼンチン大使館 イダルゴ 二等書記官(右)と打ち合わせ

 アルゼンチンのブエノスアイレス州から、食品などのメーカー20数社からなる業界ミッションが本年6月11日〜13日に来日した。日本の全輸入に占めるアルゼンチンの比率が0.02%に過ぎないので対日輸出拡販を図るべく、アルゼンチンGDPの35%を占めるブエノスアイレス州が、まずこの大型ミッションを派遣してきたのである。

 ABICはこれらアルゼンチン企業のために日本企業からアポイントを取得する業務をブエノスアイレス州政府から受託し、無事それを終えた。以下はその概要の報告である。

 本年3月下旬、在日アルゼンチン大使館から突然、ABICのサービスに興味があるので会いたいというメールが来た。マーケティング指向の新しい英文パンフレットを作成して、在日各国大使にも直送しておいたのが功を奏したのである。

 先方の話しは、大使館員だけでは20数社分ものアポイントを取得するのは難しいので、ABICがアポイント取得業務を請け負わないかというものであった。ABICは人材紹介業に安住すべきではなく、それを超えた別のビジネス、例えばプロジェクト受託業務などを伸ばすべきだと、かねてより主唱していたこともあり、前向きに取り組むことにした。

 見積書を提出して問題となったのは「発注後3週間以内」(原文は英語)という納期である。ゴールデンウィークが終わった後で、少ししかアポイントが取れなかったと言われたのでは、最早手の打ちようがないという先方の言い分も理解できた。結局ゴールデンウィークまでの正味5日間、試験的に努力してみることを承諾した。

 直ちに約300人の活動会員に協力依頼のメールを発信し、心当たりの会員には電話もしたが、メールをまだ読んでいないとかパソコンが故障中だとかなどもあって、期待していたほどには成果が挙がらなかった。だが、この結果を踏まえ、ABICが不得意なメーカーについては辞退する一方、食品関係等は引き続き努力することで合意することになる。

 5月15日、先乗りしてきた同州産業省次官が私にぜひ会いたいと言うので、大使館でのディナーがセットされた。アポイント取得を低価格で下請けする“世界的にも珍しい団体”に対する好奇心があったように思う。大使や公使なども含め6人のアルゼンチン人に囲まれる中、アポイント取得方法など様々な質問に答えたりして午後10時過ぎまで孤軍奮闘した。

 5月下旬にはアポイントをキャンセルする日本企業、せっかくアポイントが確定しているのに訪日を取り止めるアルゼンチン企業が出現したりする中、アポイント取得に従事する大使館の日本人スタッフ数名から調整のための電話やメールが来る一方、活動会員や日本企業からも確認や問い合わせが殺到し、多忙さはその頂点に達していた。

 6月11日、遂にその日が来た。ホテルニューオータニでのオープニング朝食セミナーに出席したところ、私の席は産業省大臣や大使と同じメインテーブルにあった。同大臣のプレゼンテーションの冒頭でメインテーブルの日本人が紹介され、Action for a Better International Communityも英語のまま披露された。ご協力いただいた活動会員の皆さんのご努力もこれによって多少は報われたのではないかと思った。最終的にABICで日本企業39社のアポイントをまとめ上げた。

 この6月末をもって、私はコーディネーターを辞任した。自分の年齢を考え、後進に道を譲る潮時だと判断したからである。私にとって今回の案件はABICコーディネーターとしての卒業論文だったのかもしれない。

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