マンスリー・レポート No.82 (2007年10月)
活動会員のレポート
  日本とインドネシアの架け橋を目指して ―国際協力に求められるABIC的人材
  インドネシア商工会議所執行部特別顧問   小川おがわ 洋志郎ようじろう (元 兼松)

 インドネシア商工会議所(KADIN:Kamar Dagang dan Industri Indonesia)執行部特別顧問としてKADINに席を置いてから、約2年半になる。ABICの推薦を受け、JETRO専門家として赴任したが、KADIN内に席を置くのは日本人としては勿論、外国人としても小職が初めてであったこともあり、赴任当初の数ヵ月は、正直言って相当面食らったと言うのが実感である。幸いにして今では、ヒダヤット会頭はもとより、14人の副会頭、各種委員会、各種産業団体など、KADIN関連主要人物の多くと気軽に意見交換ができる間柄になっている。

ビジネス・フォーラムにて
関係者と(筆者左から3人目)
 一般的にKADINは、KADIN内閣と揶揄される程、インドネシア政府に対しても、国民に対しても、大きな影響力を持っている。政府や公的機関に裏切られ続けてきた国民は、彼等に対しては、「もう二度と騙されないぞ」と言う強い警戒心を持っているが、KADINに対しては、かなりな信頼感と期待感を持っている。そのため、政府はKADINを通して国民の理解を得ようとし、逆に国民はKADINを通して政府に意見具申するケースが多く見られる。

 その結果、例えばAPEC、WTO、JIEPA(日イン経済連携協定)、インフラ・サミットなど、本来であれば政府が単独で実施せねばならない事業にも、KADINが関与せざるを得ない状況が生まれている。そのため、殆どの政策について、政府からも、国民からも(マスコミを通じて)、KADINとしての意見(コメント)を求められるケースが極めて多いのが実状である。

APECシンポジウム実行委員会事務局長として 筆者(中央)
 このような中で、小職がKADIN内で関与している業務は多岐にわたっているが、主なものは貿易・投資委員会、国際協力委員会、中小企業委員会、農業委員会、エネルギー委員会、環境委員会、日・イン経済協力委員会、政策提言チーム、経済・統計分析チームなどに関連した業務である。具体例で言えば、本年8月20日、安倍総理(当時)、並びにユドヨノ大統領列席のもとに実施した日本・インドネシア・ビジネス・フォーラムなどが挙げられる。このフォーラムは、KADIN、日本経団連、日本商工会議所、JETROの共催で実施したが、KADIN側では、日・イン経済協力委員会がフォーラム当日の議事進行を、国際協力委員会が正副大統領および諸閣僚のプロトコールを、貿易・投資委員会がJIEPA関連の業務を担当した。それらを統括したのがヒダヤット会頭だが、小職は会頭との折衝も含むこれら全ての業務に直接的・間接的に関与した。

ユヨドノ大統領表敬  筆者(左)
 その後、9月6日にはロシアのプーチン大統領、インドネシアのユドヨノ大統領の列席のもとKADINとロシア商工会議所主催のビジネス・フォーラムを実施、小職も国際協力委員会の一員として間接的にこのフォーラムにも関与した。これら二つの事業を通じて痛感したことは、「日本のODAも含む国際協力面で必要とされる人材は、国際経験、ビジネス経験、起業マインドを持ち、これらを国際社会の貢献に活用できる人材、言い換えればABIC的人材である」ということである。その意味からも、ABICのますますの発展を祈願している。

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