マンスリー・レポート No.88 (2008年4月)
活動会員のレポート
  クリエイション・コア東大阪にエストニア・ミッション来訪
  クリエイション・コア東大阪 販路開拓コーディネーター  堀岡 ほりおか  太木生 たきお (元 日商岩井)

 2008年4月16日、エストニア経営者連盟(Estonian Employers' Confederation)のミッション約20人が、ABICから推薦の我々コーディネーター6名が勤務する「クリエイション・コア東大阪」(クリコア)を訪問した。
  今回の訪問は、ABIC関西デスク藤原コーディネーターを通じ、EU研究では日本の第一人者といわれている神戸大学大学院経済学部久保隆教授(元丸紅)より日本の中小企業クラスター研究のために、一行のクリコア見学を具体化したいとの依頼があり、実現したものである。
  エストニアといえば、日本人には大相撲把瑠都関の故郷といった認識ぐらいしかないのが実情だが、国土の広さは九州とほぼ同じ、人口もわずか約140万人で、バルト海に面した多くの島、そして湖と森に恵まれた美しい国といわれている。政治的には1991年に旧ソ連から独立し、2004年にNATO、EUに加入した新しい共和国である。歴史的に周辺大国よりの侵略を受けてきたが、首都タリンはハンザ同盟の主要都市であった。

クリエイション・コア東大阪の入り口前にて エストニア・ミッション一行と記念撮影(前列右端より上田東大阪産業振興センター・コーディネーター、藤原ABIC関西デスクコーディネーター、筆者、大井課長(大阪産業振興機構))

 特筆すべきは、現在、同国の電力の90%がオイルシェールの火力発電でまかなわれており、一行からおみやげにオイルシェールの現物見本を頂いたのにはびっくりした。小国なりの自立の意識の高さがうかがわれる。
  一行は電力会社の役員、病院の会長、家具屋、IT関係など多士済々で、大変洗練され、教養豊かな方々であった。
 一行は、予定時間を延長してクリコアを見学し、日本のこの種施設ではユニークな企業の展示場に大変関心をもった様子であった。また、その後の質疑応答では、中小企業の支援方法、運営、資金面の援助の仕方など熱心な質問を受け、日本の中小企業に学び、自国の発展を果たしたいとの強い意気込みを感じた。

会見 
クリコアの技術コーディネーターが説明
館内見学
見学後の質疑応答

 クリコアは、大阪東部地域の東大阪市役所に隣接した独立行政法人中小企業基盤整備機構が保有する立派なビルの中にある。我々はここで東大阪市他大阪府下の中小企業支援事業を総合的に行っている。(財)大阪産業振興機構、(財)東大阪市中小企業振興会、東大阪商工会議所、中小企業基盤整備機構など主要4団体がこの建物の中でそれぞれの得意分野を活かしながら活動している。
  当施設の北館には大阪の代表的な中小企業200社の常設展示ブースがある。さらに商談スペース、企業のインキュベート・ルームも併設されている。ここでは商談会の開催、受発注マッチング、技術、金融、創業、販路開拓などABICからのコーディネーターをはじめ、専門コーディネーターが常駐し、中小企業からの相談と支援を行っている。一方、南館では産学連携支援部門が、15大学・1高専のリエゾンオフィスとの間で、中小企業の産学連携の斡旋・紹介を進めている。
  また、会議室、講演会場などもあり、中小企業の人々に広く利用されている。その他、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の事務所やその技術支援を受けて、開発中の東大阪発の人工衛星「まいど1号」の各種試験や組み立てを行うラボもある。

 最近、海外でもクリコアの評判が高まっており、このようなミッションの訪問は年々増えている。因みに19年度は国内外約40数件を受け入れたが、相手先としては韓国、中国を筆頭にアジアを中心に多数の国々からの来訪者があった。その中で我々ABICのコーディネーターが大きく関わった案件としては、昨年、韓国産業団地公団一行17社26名が来館、41件の具体的な商談が盛大に行われたことである。
  我々コーディネーターの役目としては、単に施設や展示場の見学に終わらず、企業との具体的な商談や企業のグローバル化に結び付くように努力を日々続けることである。皆様方も是非一度お越しいただき、大阪の中小企業に対するご理解を深めていただければと願い、ご来館を歓迎する次第である。

 なお、最後になったが、本件のアテンドにあたっては、同じくABIC会員で東大阪産業振興センターの上田博晟(元 トーメン)コーディネーターに多大な協力をいただいた。

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