マンスリー・レポート No.92 (2008年8月)
活動会員のレポート
  「ヨーロッパの今」 関西学院大学・特別講座
     山本 やまもと 寧雄 やすお (元 ニチメン)

 掲題の講座は、関西学院大学経済学部の田村教授並びに井口教授を座長として平成16年度から連続して開講されていて、本年は5年目になる。ABICからは講師陣に工楽誠之助(元 松下電器産業)、峯本晴輝(元 丸紅)の両氏と私が加わってスタートし、19年度から工楽氏に代わり、吉富茂隆(元 丸紅)、藤井吉郎(元 住友商事)の両氏が加わっている。

 

 

 初年度のABIC講師の題目、工楽氏の「戦禍を超えてヴァイツゼッカー演説を考える」から始まり、本年度のABIC講師演題(合計10コマ)は、次のとおり。(敬称略)

●西から見たヨーロッパ、東から見たヨーロッパ(2コマ)   峯本 
●ポーランド及び中央・東欧の経済(2コマ) 峯本
●スラブ圏ヨーロッパをめぐって(1コマ) 山本
●クロアチアからのレポート(1コマ) 山本
●英国からみたEU(2コマ) 吉富
●トルコ周辺及び周辺諸国(2コマ) 藤井

 私は春学期のみを担当しており、この5年間、毎年同じ題目を続けているが、内容は毎年見直し、最新の情勢や情報を盛り込むようにしている。今年の新しい試みとして、EUインスティテュートからのシュミット教授の英語での講義が加わり、受講者各位に新たな刺激を与えている。
 私たちABIC講師陣に期待されていることは、講義を通じて商社マン・企業マンの経験が語られること、多彩な経験に裏打ちされた講師の人間的な魅力に受講者が直接触れられること、これらを通して学生たちに夢をもってもらうことである。また、講義の内容については、話の内容が具体的であること、相互の裏付けをして概念化をはかること、鮮度の高い話題であることなどである。

 受講者は、全学部・全学年からの希望者と、社会人特別聴講者で、年度による変動はあるものの、150〜350人ほどに上り、年々受講者が増えているのは嬉しいことである。また、講師の論点や経験を汲み取ろうとする熱心な受講者が多いので、講義のしがいがある。講義終了後に試験を実施する。答案用紙を採点するのは大変であるが、受講者の理解度や反応が窺えて楽しい作業にもなっている。また、講義の後で、受講者から講師に質問や相談が直接あったり、メールで意見や希望が寄せられることもあって、これも現代の学生諸君の考えの一端が窺え、楽しい。

 世界各地でビジネス体験をもつ私たち企業OBと、緻密な学究の成果を披露される現役の先生方の協働が、これから世に出る学生諸君にいささかでもお役に立つものであることを願うと共に、この貴重な機会を築いて頂いた関学・ABICの関係各位にお礼を申し上げる。

【事務局注】
  ABICは、関西学院大学(関学)との産学協定提携先として、2003年以来、いろいろなプロジェクトを関学と取り組んでいる。大学講座については、今回寄稿の「総合コース ヨーロッパ」のほか「総合コース アメリカ」と「現代総合商社論」、また、高大連携授業として大学生、高校生が一体となった夏季短期集中講座の授業にABIC会員を講師として派遣している。
  昨年からは、関学と共催で日米高校生交流の集いを実施している。今年も7月25日、26日に1泊2日で開催するが、高校生の人気も高く、高校生の応募が当初募集人員をはるかに超えて、定員調整を行っているところである。本年は夏季集中講座をよりレベルアップすることを目指してABIC会員と大学生が高等学校に出向き、協働して出前補講を実施中である。講座で採用されるディベートを高校生が大学生の中に溶け込めるようにアシストしている。
  上記、総合コース ヨーロッパは、受講者が今年も300人を超える人気講座となっており、山本氏の講演は、最新の東欧情勢が聞ける注目の講座である。 山本氏は、現在クロアチア・ザグレブに在住で、ザグレブ経済経営大学等にて講師を務めるなど様々な活動をしている。(本誌 P15参照)

(関学との協定担当 シニアコーディネーター  宇佐見 うさみ  和彦 かずひこ

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