マンスリー・レポート No.92 (2008年8月)
活動会員のレポート
  アドリア海の岸辺の国クロアチアから
    (元 ニチメン、クロアチア・ザグレブ在住) 山本 やまもと 寧雄 やすお
アドリア海によく見られる古い町並み ドゥブロヴニク旧市街と筆者

 クロアチアの首都ザグレブに移り住んでちょうど10年になる。クロアチアはここ数年、日本のTVの旅番組や新聞雑誌の特集、それにいろんなスポーツでずいぶん紹介されるようになったが、まだまだよく知られていない。しかし、アルプスの山塊がなだらかにパンノニア平原になるところ、ドナウ河の右岸、そして何よりもアドリア海の岸辺の国、といえば、鮮烈なイメージを持っていただけるであろう。クラヴァト(ネクタイ)という名詞の由来する国で、ダルマチア犬の故郷、そしてマルコ・ポーロが生まれたといわれている国でもある。

 クロアチアは、旧ユーゴスラヴィアから1991年に分離独立した新生共和国である。独立に伴うセルビアとの戦争でかなり疲弊したものの、戦後処理が進んで美しい景観と町並みが回復するにつれ、今では世界中からの観光客が急増し、経済も回復途上にあり、一人当たりGDPは1万ドル近くになっている。人々は概して知的かつ穏やかで、治安は良く、親日家や日本の様々な文化に関わりをもつ人が多くいる。

  今年、2008年1月にクロアチア政府観光局の東京事務所が六本木に開設され、3月にはメシチ大統領が訪日するなど、両国の関係が広がっている。2010年と想定されるEU加盟に向けて、ブリュッセルとの交渉が最終段階を迎えており、夥しい数の法律や制度の改変が進んでいる。

  私の現在の主な活動分野は次の通りである。
1.ザグレブ経済経営大学での講師(日本研究概論)
2. 同大学日本センターの事業として、クロアチア企業の支援と企業へのカイゼン・マネジメントの導入支援
3. クロアチア観光業(ザグレブ経営大学観光学部での講義、地域案内等の日本語訳と編集、政府観光局・地域観光協会・観光会社・ホテル・レストラン等への協力、ツァーの企画助言と同行、日本のTV番組や新聞雑誌のクロアチア特集のための取材のコーディネート)
4. クロアチアでの地域起こしや町起こしの支援等

 当地のTVコマーシャルへの出演なども再三あり、これらすべてが互いに好ましく影響しあい、好循環をもたらしているように思われる。また、卒業生たちが社会に出て色んな分野で活躍を始めており、私も仕事を通じて接する機会がよくあるので、成長していく姿を見るのは楽しい。

首都ザグレブの中心部と丘(後方)
手前の建物は中央鉄道駅、その後方は中央公園(美術展示館などがある)、そしてその奥右手の大聖堂を中心に旧市街が広がっている

 2004年から毎年5月頃に日本を訪れ、関西学院大学でヨーロッパ講座の一部を担当しているが、日本の学生たちの姿に親しく接して、クロアチアの学生たちと比べてみるのも興味深いものがある。

  私は、クロアチアの永住権をとっているので、心身が動く間はクロアチアと日本の間を往復しながら現役として多くの人々と交わり、社会に関わって行きたいと念じている。学生時代や仕事を通じた仲間たちが、三々五々、あるいはグループを組んで大勢がクロアチアを訪ねてくれ、大いに満足してもらっている。美しいクロアチアへ皆様お誘い合わせのうえ、どうぞおいでください。

 

 

ドゥブロヴニク旧市街(世界文化遺産)
アドリア海の真珠と呼ばれている

 

ブリトヴィツェ湖国立公園(世界自然遺産)
大小16の湖が標高差150mほどで段々に連なり、それらを結ぶのは無数の滝と小川。一番高い湖は標高635m、夏でも涼しく静謐な楽園。

 

Copyright (C) 2003-, 国際社会貢献センター (ABIC)