マンスリー・レポート No.98 (2009年2月)
活動会員のレポート
  ベトナムあれこれ─ホーチミンのホテル支配人として赴任して
  浜田 はまだ 元雄 もとお (元 三菱商事)

 昨年4月にABICの紹介でベトナムのホーチミンにあるパステル・イン・サイゴンというホテルの支配人に就任して、約1年経ったところです。ベトナムには、1993年に旅行で一週間滞在しただけで、その時は本当に表面をなぜただけでした。なんだか空港も街中も暗くて乞食も多いし、この国は大変だなあと感じました。1986年に始まったドイモイ政策が、その後徐々に浸透してきて、ポスト中国と認知されるまでになりました。一度ぜひ行って見なければと思っていたところ、図らずも生活することになった次第です。

 かつて、アフリカ、タイ、インドネシア、米国、メキシコといろいろな国で勤務し、それなりにその国の人々と付き合ってきましたが、ベトナムの人はどんなだろうか、と興味津々でした。来て見ますと、まるで香港人のように「喧騒」で、タイ語よりも言葉が「難解」で、アジア共通の「言い訳」が多く、日本人以外の多くの国の人々のように「引継ぎ」をせず、驚くことに業務上のミスによる「損」は個人が負担するという現象まで見せてもらっています。

 前回の印象とはまるで違います。まず、2007年にホーチミン空港が新しくきれいになっています。オートバイは以前とは比較にならないくらい多くなっています。何しろ年間300万台もオートバイが作られており、「国民の足」としての地位を完全に確立しています。車で出掛けようにも駐車場がないのです。食事に行った時などは、運転手はどこかで待機していて、携帯で食事が済んだ旨を告げるとレストランまで戻ってくるといった具合です。携帯も猛烈に普及しつつあります。電話の普及率は92.6%で、そのうち携帯電話が83.5%と言われています。
 乞食の姿はほとんど見かけません。その代わりというか、犯罪の方はだんだん手口が巧妙になり、ここホーチミン総領事館の発表では、過去1年で約80人の日本人旅行者がぼったくりバーとか、いかさま賭博の被害にあっているそうです。これも氷山の一角に過ぎないかもしれません。

 ベトナムに来て、疑問に思うことが多々あります。例えば、ベトナム人と話をする時、なぜ「人と人との距離」が近いのか。ベトナム人は、なぜ「大きな声」でしゃべるのか、なぜ自分の「非を認め」ようとしないのか、なぜ人の「悪口」を堂々と言いつけに来るのか。
 その一方で、人にものを渡すときに「両手」に持って渡す。挨拶するときに両手を胸の前に組んで「挨拶」する。廃品、廃物をできる限り「使いこなそう」とする。ちょっとしたMeetingで挨拶をしても、必ず「拍手」する等々。「う〜ん、日本では忘れてしまったなあ」ということを垣間見る場面がたくさんあります。できれば、滞在中にその解答を得て帰りたいと思っていますが…。

 最後に、職場について少し宣伝させていただきます。パステル・イン・サイゴンは「邦人、ビジネスマン、海外進出」のキーワードで日本人顧客に特化した3スターホテルです。5スターホテルのようにプールもジムもありませんが、日系企業の紹介、ベトナムの政治・経済・文化の紹介、ベトナムで活躍されている日本人の方々の紹介、また日本語の小説、雑誌、新聞、DVDの貸し出し等々、「情報サービス」を中心に置いています。手前味噌かもしれませんが、この点ではどこにも負けないつもりです。

 私も長い間、ビジネスマンのはしくれとして、「ホテルを予約する側」「泊まる側」にいましたが、今は、逆に「泊まって頂く側」に立っています。泊まる側にいたときに感じたことをベースに、少しでも改善できるように日夜頑張っております。
 ホーチミンに来られた際には是非お立ち寄り下さい。

パステル・イン・サイゴンの正面玄関前にてホテルのスタッフと筆者
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