マンスリー・レポート No.98 (2009年2月)
活動会員のレポート
  英語で授業するABIC大学講師陣─英語で教える講義法講習会
     

 2008年12月12日、ABICで「英語で教える秘訣」というテーマの講習会を、名古屋大学留学生センターの堀江未来准教授を講師に迎え開催した。現在、既に大学で英語での授業の経験のある会員を中心に27名、それにコーディネーター9名含め合計36名が参加した。
 2008年度にABIC会員が大学で講義するコマ数は719コマに上り、そのうち164コマ(約23%)が既に英語で行われており、これらの講座内容は経営学特講、eビジネス、会計学、国際貿易と投資、アジア太平洋の日本企業など多岐にわたっている。
 現在、日本では文部科学省ほか関係省庁が2020年を目途に留学生30万人を受け入れる計画を策定し、その中に英語のみのコースの大幅増加との方針も含まれている。グローバリゼーションの世界の動向から見て、英語での授業開講のニーズは増える一方である。これに対し、外国人教員の増強はもちろんであるが、英語で授業する先生の層を増やすことが必要である。外国の学会では発表するが、授業を英語でと言うとためらう先生もいると言われている。
 筆者の経験から、まず英語で90分も話し続けられるだろうかというのが、初めて英語で授業をする時の不安であった。大学の留学生の教室で自分のキャリアを1コマ話す機会を数回持った経験があり、これが授業に挑戦する際に自信となり、役立った。その後、立命館アジア太平洋大学で講義する機会に、同学の講座は日本語と英語で同じ内容の講義をやってもらうことが条件ですと言われ、一講座通して担当した。
 何回か英語で講義をして気が付いたことは、留学経験がないので英語の授業を受けたことはないが、やはり教室英語(Classroom English)を使えるようになる必要があるということであった。例えて言えば、贈り物をするときにスーパーのレジ袋に入れて渡すのではなく、進物用の包装をして渡せば、中身の価値を正当に認識してもらえるということである。これがきっかけで、この講習会の企画に繋がった。
 今回の講座の案内に対し、多くの会員が積極的に参加の意思を示し、当日はDVDによる実際の授業風景を見た後、熱気にあふれる質疑応答がなされた。特別に参加頂いた一橋大学太田浩准教授からも、大変有意義なアドバイスを頂いた。ABIC会員の語学力のレベルは非常に高く、また海外の異文化の中での経験も豊富であり、英語での授業を抵抗なく担当できる会員が多い。従って英語の表現の問題だけでなく、FD(Faculty Development:授業法の向上)は日本語でやる授業にも共通することである。講座の構成、シラバスの書き方や成績評価法など引き続きABICとして取り組んで講座の質を上げ、英語で授業する講座を更に積極的に多くの大学から引き受けていきたい。
※授業の計画、目標、方針、成績評価の方法などを書いたもので、受講生はこれを履修の参考にする。

(大学講座等担当コーディネーター  谷川 たにがわ 達夫 たつお

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