マンスリー・レポート No.98 (2009年2月)
活動会員のレポート
  教員免許更新制実施に向けてのe-learning講座提供

 2007年6月に成立した改正教育職員免許法に基づいて、本年4月以降、初等中等教員向けに教員免許更新制が実施される。教員免許更新制とは、「その時々で教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身につけることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目的とするもの」(文部科学省)であり、10年毎に合計30時間(@教育の最新事情に関する事項=12時間以上、A教科指導、生徒指導その他教育の充実に関する事項=18時間以上を提供される科目から選択する)受講し、各回の確認テストと修了テストに合格する必要がある。

 教職教育課程を持つ国立大学法人金沢大学では、法制化直後から免許状更新講習実施大学として講習準備を進めてきたが、今般、4大学共同によるe-learningを活用した講座を提供することとなり、東京学芸大学(国立)、愛知教育大学(国立)、千歳科学技術大学(私立)などに加えてABICにも講座提供の協力要請があった。全国規模で10万人/年、石川県・愛知県では約7400人/年の教員の受講が見込まれているが、講習実施機関の不足が懸念される中で、インターネットを活用したe-learning講習は、いつでも、どこでも受講できるというメリットがある。 ABICでは、大学、エクステンションセンターなどでのこれまでの講義実績を踏まえて、2009年度講座として「授業に活かすプレゼンテーション」(城田比佐子講師)と「近くて遠い国ロシア」(千田英樹講師)の2講座を提供することとなり、講座コンテンツ制作と講義ナレーション作業を実施した。

 完成したコンテンツは講師の豊富な講義経験や駐在経験に基づく興味深い内容に仕上がっており、教員免許更新に必要な選択科目として大いに活用されることが期待される。ABICとしては新しい分野の活動であるが、今後の教員免許更新講習の需要拡大に合わせて、引き続き、さまざまなテーマで展開していく予定である。

(大学講座等担当コーディネーター  猪狩いがり 眞弓まゆみ

金沢大学での講義ナレーション収録風景(2009.1.19〜21)
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