マンスリー・レポート No.106 (2009年10月)
活動会員のレポート
  はじめてのABICボランティア体験―日本英語交流連盟大学対抗ディベートChairperson
      西川 にしかわ 裕治 ゆうじ (日本貿易会 広報グループ部長、ABIC活動会員)
草食系VS肉食系?

 ABICの評判を聞き、日本貿易会広報責任者として実態調査(?)をすべく会員登録したが、はじめてABICのボランティア活動を体験したのでご披露したい。

 10月11・12日、日本英語交流連盟(ESUJ)は、第12回大学対抗英語ディベート大会を、代々木にある国立オリンピック記念青少年総合センターで開催し、全国28大学から選りすぐりの32チームが参加した。英語の入試問題がやたら難しい名門大学も多く参加しており、ハイレベルな戦いが期待された。

ディベートChairperson(Cp)のお仕事
 ABICは2002年より同大会にボランティアを派遣して支援しているが、今年は7名が参加しCpを務めた。Cpの仕事は特に難しくはなく、試合開始の宣言から始まり、審査員の紹介、Motionと呼ばれる「議題・争点」の確認、そして、発言者の指名などだけだが、Cpの存在感次第でディベートの雰囲気がビシッと引き締まる。
 当然、使用言語は英語だが、最近、本業で英語を使う機会が少なく、昔の流暢な英語(?)が戻るまで時間がかかる(結局、最後まで戻らなかったが)。
 今回の大会は、英国議会での論戦を模して、各チーム2人制で、Motionに対する賛成派(Proposition)と反対派(Opposition)に分かれて戦う。
 試合の審査では、英語の流暢さも大事だが、むしろ論理構成や事実認識、また、相手の論点をきちんと否定したかなどの点が高く評価される。
 各チームは、毎回の試合でMotionを知らされると同時に、賛成派、反対派のどちらになるかが指定され、選ぶことはできない。因みに、Motionは毎試合異なり、選手には幅広い時事問題の知識が要求される。そこから20分間で、指定された側の立場に沿った情報を整理し論理構成を行ない、適切な英語表現も調べる。
 討論は、双方が各3回行い40分程度続くので、準備時間20分との合計で1試合は1時間程度となる。Cpは、途中で気を抜くと、発言者や賛成派と反対派を間違えてコールする恐れもあり緊張する。
 各ABICボランティアは、予選(11日)の4試合を担当するが、待ち時間を含めて一日仕事となり、けっこうくたびれる。私も学生時代に英語ディベート大会に出場した経験があり、多少の土地勘はあったが、遠い昔の話であり、かつCpは初めての経験なので意外と気が抜けない。
 予選第1戦のMotionは「全ての高速道路を無料化する」だ。試合室にいる観客や応援団を意識しつつも、司会進行は手元に隠したメモを棒読みする形でなんとか無難にこなした…と自分では思っている。正直、明らかなミスやトチリもあったが。

今ドキッ!の大学生
 大学生の発音や語彙のレベルは、さすがに全国大会に出てくるチームだけあって、それなりに高い。明らかな帰国子女もいる。一方、事実認識や論理構成は、さすがに「学生さん」らしく、社会経験の不足が十分に感じられ「もう少し勉強せんかい」としばし優越感に浸る。(こんな事で年配者が威張ってみても仕方ないのだが。)
 試合では、美形の肉食系女子選手が細身の草食系男子を圧倒したり、リードしていたのが今日的だった。一方で、文化会系クラブ活動には珍しい肉食系男子(いわゆる珍獣)も数匹(失礼)おり、少しだけ頼もしく思えた。ただ、肉食系男子と言っても、鶏のささ身か白身魚の切り身程度の“淡泊系好み"かもしれないが。
 私が担当した8チームの内の2チームが翌日のベスト4に残り、更に1チームは決勝戦まで進んだ。予選のCpの進行がよほど上手かったに違いない。

絶好の行楽シーズン3連休を棒に振った見返り
 今回ボランティア活動に参加し、秋晴れの2日間を屋内で過ごす羽目になったが、久しぶりに学生達の真剣な意欲と熱気に触れ、日本の将来に(すなわち我々の老後に)微かな光明を見たような気がしたのが何よりの救いだった。がんばれ若造達よ!…お願いだから。

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