マンスリー・レポート No.119 (2010年11月)
活動会員のレポート
  人・くらし イン アルゼンチン
  JICAシニア海外ボランティア アルゼンチン中小企業経営改善アドバイザー   肥後ひご  照雄てるお (元 ソニー)
新商品開発に関しアドバイス中の筆者

1.プロフィール
 1998年、ソニーを早期退職し、1999年、初めてJICAの仕事でベトナムに短期出張。これを契機にアルゼンチン(以下、亜国)、東欧、ガーナ、再び亜国と継続してJICAの業務に従事している。

2.活動紹介
 JICAシニア・ボランテイアとして、亜国コルドバ州コルドバ市にある配属先「国立工業技術院」に着任して丁度一年間経過。活動地域はコルドバ市を拠点に、近隣地域コルドバ州、サンタフェ州の6市町村の中小企業を定期巡回。また、現地要請により短期間だが、メンドサ市、フフイ市の中小企業も訪問。
 ミッションは、「国際企業と対抗できる競争力の強化、品質・コスト・納期・アフターサービスなどの確実な履行、定着など経営改善と企業体質改善」活動。具体的には、企業診断、改善対策と行動計画提案、配属先パートナーへの技術移転、改善に関するワークショップ、セミナーの開催・講師など。

3.感想
 一年間で国内出張・企業/団体訪問は延べ100回、移動距離は約4万キロ(日本―ブエノス・アイレス往復の距離)、訪問企業は計40社となった。
 これらより、亜国・中小企業が持つ共通的問題点として、@企業戦略がない(売り込む姿勢がないなど)、Aマーケティング活動が不足(グローバル市場に競合できないなど)、B生産活動が低い(稼働率が低い、品質・コスト・納期・アフターサービスなどの認識薄いなど)が明確になってきた。
 また、中小企業を支援・指導する立場の人達も、企業の本当に必要な改善を実施していない、正しい手法・方法で支援・指導していない、企業との信頼関係を構築していないなども解った。残りの一年間で技術移転していきたいと思う。

4.現地の紹介
 コルドバ州は、人口3百万人、面積165平方キロメートル、工業と工芸、伝統と斬新、文化と観光、亜国で最も重要な経済中心地のひとつと言われている。その州都コルドバ市は、首都ブエノス・アイレスから北西800キロ、亜国の中央部に位置し、亜国第二の都市(人口1.2百万人)。亜国で初の大学と司教教区が設立された歴史の古い町でもある。
 市街から遠方にコルドバ山脈の山々の連なりが見え、郊外に足を少し延ばすと、森、丘、湖、川、滝など起伏と変化に富んでいる。この大自然と温暖な気候、大自然とコロニアル風の建築モニュメントが特徴。緑と自然の豊かな保養地として観光施設が整い、シーズン中には多くの旅行者が訪れる。

5.生活上の特色
 娯楽は、ウィークエンドはテニス、ウィークデイは日本にいた時と同じように、夕食後はもっぱらTV観覧で時間をつぶしている。
 日本食材は、当市でも米、みそ、醤油、麺類など、また、豆腐、納豆も時々、スーパーでハクサイ、大根、モヤシなども手に入る。ただ、コルドバは内陸に位置するため、加えて、現地の人が食べないこともあり、刺身で食べられる新鮮な魚介類はない。 しかし、「郷に入っては郷に従え」。当国の牛肉と赤ワインは安くて美味しく、「アサド(炭火焼ステーキ)」は日本では味わえない絶品で、牛肉・赤ワイン好きの人にはたまらない処である。

6.エピソード
 着任してすぐ入会したテニスクラブで、私とは歳の差、人種や言語の違い、仕事の職種や経験、そしてテニス・スタイルが全く異なる亜国人A氏と意気投合。以来、家族ぐるみの付き合いをしている。公私に亘りいろいろ支援・助言してくれ、亜国のベストフレンドである。「友情や人情に国境はない」。今までで一番心に残っているエピソードである。

 JICA「ワールドレポーター」の下記ブログもご笑覧ください。
URL http://worldreporter.jica.go.jp/s21-2higo

テニスの仲間たちと筆者(左端) アルコ デ コルドバ(コルドバ市入口アーチ)
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