布施 克彦 著
発行:彩流社刊
- 発行:彩流社刊
- ISBN:978-4-7791-1531-8 C0023
- 四六判/228頁
- 定価:1900+税
- 2010年5月刊行
この本の主人公は、清水(しみず) 孝(こう)というひとりの商社マンである。彼は著者の会社時代の先輩であった。特に目立ったビジネスの成果を挙げた人ではない。高い地位に出世した人でもない。かといって変人でもない。仕事をまじめにこなし、家族への責任も果たした。どこにでもいる、ふつうのサラリーマンなのだ。
それでも清水は、一冊の本になるようなスケールの大きい人生を送った。彼は少年時代に夢を持った。それは誰にでもあることだが、その夢を育み続けて一生を過ごす人はそういない。夢を具現化する目標を、常に高めに設定する。他人の前で大風呂敷を広げて、自らを追い詰める。後は並はずれたエネルギーを注いで、目標の実現に向かって邁進した。
清水が夢を追い求めた舞台がアフリカだった。商社時代の海外駐在地も、独立後のビジネス拠点も、常にアフリカだった。彼はアフリカの風土と、そこに暮らす人々に魅せられた。アフリカの大自然に感激し、人々との触れ合いに究極の喜びを得た。
貧困、飢餓、戦争、エイズなど、現代のアフリカは負のイメージで覆われている。そんなアフリカの、どこに魅力があるのだろう。清水はアフリカに拘り続け、人生の軌跡を逸脱することなく、前を向いたままアフリカで死んだ。彼の痛快な人生の物語を、多くの人に知ってもらいたくて、著者はこの本を書いた。