活動会員のレポート

NGOグリーンクロスジャパンでの活動

川本 かわもと 恒彦 つねひこ (元 三菱商事)


ブルキナファソの子供たちと

スリランカと日本の小学生が環境の勉強

ゴルバチョフ創設会長との幹部会議

南相馬市立八沢小学校での
ライブ映像による国際子供会議

 1998年に商社から環境NGOの仕事に転身して以来、私の社会的活動は三つの非営利活動を中心になされてきました。本業となった国際環境NGOグリーンクロスジャパン(GCJ)に於ける地球環境保全の活動、何年か前から参加していたABICでの各種の出前授業や講義、そしてKINDと名付けられた駒場の留学生寮にいる留学生たちとの交流活動です。

 GCJは1993年に元ソ連大統領ゴルバチョフ氏の提唱により創設された環境NGOグリーンクロスインターナショナルの日本支部として誕生し、様々な環境保全活動を行ってきました。国際団体なので国際会議も多く、世界各国から集まった人々と活発な議論をするのも醍醐味の一つではありますが、やはり楽しいのは現場です。

 国内においては小学生への環境教育を推進すべく「みどりの小道」環境日記プログラムを推進していますが、全国で元気に環境活動を行っている子供たちに会うと日本の未来に希望が持てます。

 途上国を中心とした海外事業は3~5年の期間で計画され、これまでも西アフリカのブルキナファソでの植林や井戸建設事業、比国レイテ島での井戸建設など様々なプロジェクトに取り組んできました。元商社マンの強みからかどこに行っても病気にもならず、すぐに現地の村人と仲良くなり、水道も電気も無いような所でも結構楽しく仕事をやらせてもらいました。困った事と言えばブルキナファソで村人からお土産に生きたニワトリをいただいたことでしょうか。帰りの車の中で「コケコッコー」とうるさく鳴いて閉口しました。もちろん現地のグリーンクロスの人にあげてきましたが。

 2005年にはスマトラ沖地震の津波に襲われたスリランカに赴き、被災地を含め農村や山岳地帯を視察し、グリーンクロススリランカの創設とともに被災地モルツワ市の小学校での図書室の建設と環境日記プログラムの導入を行いました。現地ニーズの把握やプロジェクト策定には商社時代の感覚が大いに役立ち、しっかりとした持続可能な計画を遂行することができていますが、一番に大切なことはビジネスと同じで信頼のできるパートナーを見つけることだと実感しています。

 スリランカの環境日記プログラムは今年で7年目を迎えました。毎年12月に東京ビッグサイトで開催される環境日記コンテスト表彰式には、優れた日記を書いたスリランカの小学生数人が招待され、日本の小学生との意見交換や交流を図っています。そしてここで活躍するのがスリランカから来ている留学生です。KINDの活動を通じて仲間となった留学生にお願いして、通訳や子供たちのお世話を毎年お願いしているのですが、時には子供たちにスリランカ・カレーの差し入れを持ってきてくれるなど、まるで自分たちの弟や妹のように世話をしてくれます。

 本年10月26日にはグリーンクロスオーストラリアの協力を得て南相馬市の八沢小学校で豪州のブリスベン、ニュージーランドのクライストチャーチの小学校をインターネットで結び、ライブ映像で三国の小学生による災害と環境についての国際子供会議を行いました。最後は三本締めを三国全員で行い、児童たちは国際交流の楽しさに触れたようです。年齢や階層、国を超えた様々な人との絆の構築こそがグローバルな問題の解決への近道でありましょう。これからもABICやGCJ、KINDを通じて生まれた人々との交流を大切にし、三つの活動に積極的に参加して行きたいと思っています。