活動会員のレポート

親の顔が見てみたい程「最近の若者は外向き志向」

西川 にしかわ 裕治 ゆうじ (ABIC会員、双日)


グループディスカッションにて
筆者(中央)

報告会参加者

 ABICの紹介で「ESUJ全国大学対抗英語ディベート大会」のチェアマン(本誌29号 2010年11月ご参照)をやり、それを機に、母校の後輩ESS部員を同大会に引っ張り出し、社内では、若手社員のグローバル化促進と英語コミュニケーション力アップを目指しSalon de Eigoという活動を立ち上げて遊んでいる。
 てなことで「こいつは暇に違いない」とABICから目を付けられ、「今度は慶應の学生の面倒をみてよ」とのご指名。話を聞くと、世界各国にネットワークを持ち国際インターンの派遣や受入れの活動に取り組んでいる「アイセック(AIESEC)慶應義塾大学委員会」(以下、アイセック)なる学生団体からのプレゼン審査員の依頼だった。
 アイセックは、2011年夏に14名のメンバーをインド、フィリピン、カンボジア、チェコ、ブラジル、カメルーン、モーリシャス、ウガンダに派遣し、NGO、教育機関や企業でのインターンシップを経験させた。また、メンバーの半数は海外インターン経験者で、海外との折衝業務や国内での資金集めなどもやっているらしい。英語力もTOEIC平均800点以上で日本の大学生としてはハイレベル。彼らの対応や言葉遣いも下手な社会人より結構まともで、物好きな私は引き受けることにした。
 2011年12月3日(土)午後2時、浜松町の東京都立産業貿易センターにはアイセック・メンバー約50名と審査員18名が集結し、同年夏に海外インターンを経験した1年生3名が、その経験や将来の抱負などを熱くプレゼンした。大学1年生の夏といえば、高校を出たばかりで頼りないイメージが強いが、彼らの行動力は大したもので、「親の顔が見てみたい」と思ったほどだ。
 さて、プレゼンの1番手は、チェコのビルゼンという町で活動した男子が登場。出発前にチェコ大使館に通い詰めて準備し、現地でも積極的に日本文化を紹介したことを語った。
 2番手は、カンボジアの小学校で英語と日本文化を教えた女子。彼女は南アに住んだ経験から、帰国後にはノーベル平和賞のマータイさんにインタビューした経験もあるというツワモノ。
 3番手は小柄な肝っ玉ガールで、インド南部のプネーでスラム街の子供たちに英語と算数を教えながら、現地NGOで資金調達のための広報業務を担当した経験などを元気に語った。
 日本では「最近の若者は内向き志向」といわれるが、今回の3名は海外生活や留学の経験を持ち、日本国内ではスポーツやスピーチコンテストなどでも活躍した経歴を持ち、消極性や内向き志向とは全く無縁で甲乙つけ難く審査は難航。ここだけの話だが、数ある評価項目は無視して?フィーリングで大胆に選んだ学生が1位となり安堵した。
続いて、5人程度のグループに分かれ、審査員もジョインして、「国際化の時代における学生のあり方」などのテーマで ディスカッションした。ここでも快活で自由闊達な討議が行われた。
 ちなみに、今回のイベントの模様は、iPhoneで撮影した動画がインターネットで世界にナマ配信され、グローバル化・IT化の現実を再認識。
 日本の政治家、官僚や企業幹部の皆さんは、こんな時代の変化は当然ご承知だと思うが、なぜ日本がグローバル化で苦労しているのか…。一度、ABICのボランティア活動に参加され、自らの老後のためにも、前向きな若者をご支援されることを是非お勧めしたい。