活動会員のレポート

立正大学での英語による講義

もり 秀夫 ひでお (元 昭和シェル石油)

 ABICが新規に受注した立正大学 国際交流センターにおいて、英語での講義が行われ、その一部を担当した経験を基に雑感を記してみます。

 立正大学 国際交流センターは、日本一の暑さで毎年話題に上る埼玉県熊谷市にキャンパスを構え、仏教系の同大学との大学間海外協定校からの交換留学生を受け入れ、日本語・日本文化を中心とした教育の場として機能している。
この英語での講義は特別なケースではあるが、国際交流センター長の非常な努力によって実現したプログラムであった。今回の受講対象生(6ヵ月間の外国人短期留学生)は全てが海外協定校に学ぶ文系の3年生であり、国籍別では韓国・中国・ニュージーランド・フィンランド・チリ等で多国籍、そして性別では若干女性数が上回った構成であった。

 講義は「英語による鳥瞰日本経済」(Bird's eye Japan's Economy)をタイトルに、15週間(2011年9月~2012年1月)にわたり、ABICのメンバー6名がオムニバス方式で各人のテーマについて各々2~3コマの講義を行った。
 講義概要は、① 過去30年間の日本経済、② 日本経済の強みと弱み、③ 日本経済の独自性・課題・将来展望等を骨格に構成した。受講者に対する成績評価は、英語での「Reflection sheet(各人の理解度・疑問点等を自由記述し毎講義終了時提出)」と「Report(課題に関しテーマ毎に提出)」を義務付け、「出席率」と「講義貢献度」を加味した。
 筆者の担当分野は、「日本経済の弱み:資源問題」をテーマに、鉱物資源(特にエネルギー)の海外依存率、需給バランス、環境問題、代替エネルギー等を中心に講義を進めた。
 前述の通りに受講生たちの多様なバック・グラウンド(英語力・専攻学科・出身国情)を考慮して「説明資料(ppt)はビジュアル」に、「説明はコミュニケーションとしての英語」を念頭に、冒頭では受講生たちの緊張を解くゲーム(アイス・ブレーキング)も行うことでスムーズな展開ができた。 エネルギー資源は、全世界的に共有する問題点が多く、受講生たちの関心は高かった。特に需給状況、環境問題、自然エネルギーについては「Reflection sheet」にも意見や質問が多々見られ、関心の高さを感じた。