JICA九州での研修に行ったことが
あるSENAカリの電気・
オートメーションセンターの
先生William Gutierrezさんと一緒に
SENAカリの女性Tejo選手
メンバーたちと。
私の左がSENAカリの地域局長で
選手でもあるEsperanzaさん。
私は私設応援団長
Tejo競技の専用台の前で。
プレー仲間のSENAの女性たちと
配属先のSENA
(国立職業訓練センター)の
カリにある地方局(学校)の
キャンパス入り口
キャンパス内、奥がカフェテリア
2010年3月から南米コロンビア第3の都市カリで、SENAという国立職業訓練センターの当地の地域局で活動する他のSVの活動支援をする渉外促進として活動している。
SENAは日本でいう高専・専門学校のようなところで、国内に33の地域局を有し、117のセンターで授業料無料で多くの生徒(ほとんどが若者でどちらかと言えば貧しい家庭の子供が多い)が技術、能力を身につけるために学んでいる。この地域局では年間50万名ほどの生徒が学んでいる。科目としては、電気、機械メンテ、放送技術、プログラミング、看護、料理、観光、土木工事、溶接、自動車修理などなど非常に多い。
ここでこれまでに延べ9名のSVの方たちと一緒に活動をしてきている。渉外促進としての仕事は、各SVがJICAの要請内容、およびこちらに来てから配属先との間でJICAも交え決めた活動内容に沿って、その知識と経験をこちらの主として先生に伝える。また時には企業訪問する際の支援で主として言葉の面を、実際には各SVの打ち合わせ・会議・講演、セミナーなどでの通訳、そして資料等の翻訳などの支援を主として行っている。
ただ、これらSVの方の分野が、品質管理、物流・貿易、建築、工業デザイン、電気・オートメーション、金型設計などと多岐にわたっており、十分にこなせないところはSVの方やコロンビアの人たちに助けてもらっている。また、配属先内の各種情報伝達なども行っている。他のSVの方はそれぞれのセンターの配属だが、私はこのような仕事柄、地域局長のいる事務局に席を置き、種々の状況に対応できるようにスタンバイしている。また、JICA事務所とのやりとりも結構多い。
他のSVの方との活動がない時間などは広いキャンパスの中をぶらぶら歩き、生徒、職員、先生たちとの何気ない会話を楽しんでいる。SENAには福利厚生として先生、職員のスポーツなどの会があり、私もコロンビアの国技であるTejo(テホ)(注)やボーリングに、時々だが、参加させてもらっている。
(注) Tejoと呼ばれる鉛で出来た円盤状のものを女性用では約13m、男性用約20m以上先の粘土を入れた四角の箱に投げ込むゲーム。その箱の真ん中にマグネシウムで出来た円があ り、その縁に火薬を包んだ三角の紙を置く。ゲームとしてはこの円の近くに投げた人が勝ちで、一番点数がいいのは火薬を爆発させ、なおかつその円のなかにすっぽりとTejoを入れた場合。やること自体は非常にシンプルであるが、実際にやってみるとなかなか難しく、はまってしまう。
さて、ここコロンビアは残念ながら世界でも有数の治安の悪い国で、その中でもここカリは殺人など毎日のように発生し、気が抜けない毎日を送っている。この治安の悪さは、反政府組織(FARC)のテロ、麻薬組織の抗争、都市の犯罪集団同士の抗争などによるものだが、その根本は貧困にあり、これをどうにかしない限り(これが一番難しいが…)治安の悪さはなくならない。
JICAでは市内でも立ち入り禁止区域の設定、夜間外出禁止などの手段を講じている。また近郊へもバスなどの陸上の移動は禁止されており、幾分窮屈な生活を強いられている。そんな中でも、ここコロンビアには多くの見どころがあり、私自身もリゾート地であるサンアンドレズ島やサンタマルタ、世界遺産のカルタヘナ、ボゴタ近郊の変わったシパキラの塩の教会など気分転換もかねて足を運んだ。
一年中半そでで暮らすことができるカリ、果物が豊富なカリ。生活は苦しくても陽気なここカリの人たち、ただ他の中南米の国の人と比べてもなんだかより約束を守らない、時間を守らない(と私は思う)ここカリ(コロンビア?)の人たち、ただこの人たちがいなければこの2年間を過ごすことができなかったと思うと感謝の気持ちで一杯である。
そして、今回はこのJICAボランティア事業、JICAボゴタ事務所・職員なども知ることが出来、本当にいい勉強をさせてもらった。2012年2月コロンビア・カリにて。