活動会員のレポート

日本貿易会/ABIC/関西学院大学/青山学院大学共催プロジェクト

1. 高校生国際交流の集い

 日本貿易会・国際社会貢献センター(ABIC)は関西学院大学(7月26日、27日)と第6回、青山学院大学(7月28日、29日)と第5回目の高大連携プログラム「高校生国際交流の集い」を開催した。
 この催しは2007年度からABICと関西学院大学並びに青山学院大学の共催で関西と関東でスタート、日本と海外の高校生の交流を大学生が企画から運営まで中心的役割を担いつつリード、大学教授、社会人が側面支援を行う産学協同の試みとし、互いに異文化理解を深めることを目的とした高大連携教育の一環として、日本と米州、ヨーロッパ、アジア諸国の高校生が寝食を共にして語り合う国際交流の場を提供している。
 関西は民間国際教育交流団体のAFS大阪支部、および日本国際交流振興会 (JFIE)、関東はAFS日本協会東京支部が協力団体で参加した。

関東(7月28-29日)

優秀チーム表彰

閉会式の後で

 昨年度は残念ながら震災の影響によりやむなく中止としたが、以前より参加者・関係者に好評いただいたこともあり、本年度再開、実施の運びとなった。
 丸紅(株)の協力により丸紅多摩センター研修所で、ABIC CAMP 2012と銘打ち「Another eye, I and 愛」の主題の下にグループ毎に独自・個別に討議テーマを決め、討議をした。参加した高校生は、横浜市立横浜商業高等学校、東京学芸大学附属高等学校、青山学院高等部、神奈川県立相模原高等学校、私立横須賀学院高等学校から日本人17名、アメリカ、フランス、イタリア、デンマーク、ブルガリア、オーストラリア、タイ、マレーシアから来日中のAFS交換留学高校生17名の計34名。リード役はAFSボランティア大学生・青山学院大学大学生の計11名。AFS交換留学高校生は日本語研修が来日目的で、英語より日本語が通じやすい留学生もいることに着目、交流の場では英語のみならず日本語も可とした。
 初日の朝研修施設へ集合した時には、リラックスムードの留学生に比べ、日本の高校生は緊張した様子だったが、大学生スタッフの巧みな司会進行により、開会式直後には明るい雰囲気作りを演出したゲームを通じてすぐにお互い打ち解け英語による交流が始まった。
 その後は、全体ワーク、グループディスカッションを重ね、お互いの国の文化の理解を深め、合間には楽しいアクティビティが盛り込まれ、1日目の夕食後には模造紙やビニールテープを使ったグループ対抗のファッション・ショーが行われ、大いに盛り上がった。
 2日目最終プログラムで、各グループによるディスカッションの発表会が行われ、伊地知ABIC常務理事による講評に続いて、参加者全員による投票で選ばれた最優秀グループが関ABIC事務局長から発表・表彰された。
 最後に希望者より1人1分ずつ感想スピーチが述べられ、誰もがこの2日間が楽しく、充実していたということ、他国の文化をよく知ることが出来たということを話していた。ある日本の高校生からは、今までは英語に自信がなかったけれども、思い切って参加したおかげで英語学習の楽しさと意欲が身に着いたとの感想があった。その後実行委員長の長谷川青山学院大学副学長のスピーチと参加者全員の記念撮影で無事2日間の幕を閉じた。
 今年度の大学生ボランティアの反省と参加高校生のアンケート回答を参考に来年度もより洗練された高校生交流の集いに結実させたい。

(小中高校国際理解教育コーディネーター  角井 かくい 信行 のぶゆき 川俣 かわまた 二郎 じろう

関西(7月26-27日)

グループ全員で表彰式後に

2日間共に過ごした仲間と
リードしてもらった大学生全員で

 今年も真夏の関西学院大学上ヶ原キャンパスに高校生と12カ国からの留学生が集合し、交流の集いが行われた。今年で第6回となる「高校生国際交流の集い2012」が「想像を創造へ。Make a change」をテーマに開催された。
参加高校は兵庫県立宝塚西高等学校、兵庫県立国際高等学校、大阪府立箕面高等学校、大阪府立千里高等学校、私立啓明学院高等学校、関西学院高等部で、計33名の高校生。留学生はAFS、JFIE(日本国際交流振興会)、およびいくつかの高校に留学中の米国、イタリア、インドネシア、オーストラリア、スウェーデン、タイ、チェコ、中国、フィンランド、ブルガリアからの計26名が参加した。昨年は、東日本大震災で参加留学生の数が限られたが、今年は多くの留学生の参加が実現した。
 初日は山本関西学院大学副学長による開会の挨拶、グルーベル関西学院院長の講演に続き、この行事の推進役となる関学学生スタッフの紹介でスタートし、昼食後のレクレーションで互いに打ち解け、その後「食」、「国際交流」、「環境」、「ITグローバルコミュニケーション」、「社会」、「愛」をテーマとする6つのグループに分かれ、大学生スタッフの指導によりディスカッションを行った。
 2日目もグループディスカッションを続け、午後にグループ毎に各々工夫をこらした方法で結果が発表された。参加高校、留学生を送り出した高校教諭および伊地知ABIC常務理事、関ABIC事務局長も審査に参加し、評価採点を行った。関学国際教育・協力センターの大西加奈子氏が英語で全グループの発表結果を講評し、最優秀、優秀の2グループを表彰し、他の4グループにも各グループの特徴を現した特別賞を授与した。関ABIC事務局長による閉会の挨拶の後、山本副学長が参加者全員に修了証の授与を行い、参加者が互いに2日間の活動を振り返り、語り合い、写真を撮り合う楽しい時間を過ごし散会となった。

(関西デスクコーディネーター  大西 おおにし 稔男 としお たちばな 弘志 ひろし


2.大学生と高校生の共同研究にABIC講師も活躍 ―高大連携講座2012(7月30-31日)

高校生と大学生が一緒に受講する

発表会を終え
関学大国際学部杉山教授を囲んで

 関西学院大学学生と高校生がグループに分かれ、共同研究を行うユニークな行事が今年も6月23日のオリエンテーションを経て、7月30日および 31日関学上ヶ原キャンパスで開催された。
 2006年から始まったこの企画は、中断した年もあったが、今年は、関学国際学部の主導、同社会連携機構の協力のもと、一般講座の形式をとり、大学生8名、高校生8名が参加し、「日本とアメリカ - 宗教や経済をめぐる関わり」をメインテーマとして開催された。関学国際学部の杉山教授、鷲尾教授による講義に加え、ABICから横舘、平野会員が、それぞれ「ジャズの楽しさ」、「現場から見た日米貿易」をテーマに講義を行った。大学生、高校生にとって興味ある講義であり、講義終了後、高校生が自己の今後の進路についてABIC講師に相談する場面もあった。大学生と高校生による共同研究は、より具体的なテーマを設定し、大学生が高校生を指導しつつ、研究結果をまとめてゆくもので、杉山教授、宝塚西高校の鈴木教諭が、適宜助言を与え、より多くの教育効果を発揮できた。
 日程の最後に、各グループは、「テーマパークに見る日米の差」、「日米貿易摩擦の歴史」、「日米の政治トップ指導者の選ばれ方に見る日米の差」について研究結果を発表した。審査を務めた杉山教授、鈴木教諭、伊地知ABIC常務理事から講評があり、修了証の授与の後、天野日本貿易会専務理事から閉会の挨拶を頂き、今年度の高大連携講座を成功裏に終了した。

(関西デスクコーディネーター 大西おおにし 稔男としおたちばな 弘志ひろし