メキシコブースにて、
PROMEXディアナさんと筆者
旧トーメン時代に1990年から1993年までメキシコに駐在し、また旧トーメン時代は、ほぼ一貫して航空機部門(営業)に所属していたこともあったため、今回、ABICより募集のあったAerospace 2012でのメキシコ大使館商務部(PROMEXICO)ブース英語通訳に応募し、活動することになった。
同展示会は、4年に1度、大々的に行われる国際的な航空宇宙産業の展示会で、2012年は初めて首都圏を離れて中部国際空港・セントレアと名古屋港ポート・メッセ両会場で10月9日から14日まで6日間にわたり開催された(33ヵ国、660社以上が参加)。前半はTrade Dayとして業界関係者のみ、後半は一般客向けにPublic Dayと称して、実機展示・自衛隊ブルーインパルスのデモ飛行などが同空港内で行われた。私は、1995年に幕張メッセで行われた同展示会に、トーメンから参加企業として対応した経験がある。日本での航空宇宙産業の大きな展示会は4年に1度だが、英国(ファンボロー)、フランス(トゥルーズ)、米国(ディトン他)、シンガポール(チャンギ)などでは毎年行われており、過去何回か見学もした。また、インドネシア駐在時代のジャカルタ新国際空港記念展示会では、主催者側の関係者として参加したこともある。
このように展示会は勝手知ったものではあったが、初めてのPROMEXICOの通訳の仕事である他、メキシコ駐在時代にはほとんど航空機関連のビジネスを扱ったことがなく、同分野で知っている関連企業も政府機関もなかったため、通訳として活動を始めるに際しては一抹の不安を覚えた。ただし、一緒に活動いただけることになったABICメンバーで元伊藤忠商事の竹山さんは、以前から何度もPROMEXICOの通訳・アドバイス業務などをされた方で、気脈も良く通じておられ、スペイン語も堪能であることから、随所でアドバイス・ご協力を頂き、大変心強く、大いに助かり、おかげさまで期間中は全力投球ができた。
PROMEXICO関係者以外のメキシコ側出展参加者は、ハリスコ州などから4つの州代表、その他は航空機関連の民間企業があり、竹山さんが州政府を、私が民間企業の通訳対応を行った。日本の自動車産業では、すでに多くの企業が同国に進出済みか、あるいは進出計画があるのにもかかわらず、 日本の航空機産業は、欧米勢に比べると同国への進出は少ないのが現状である。一方、同国は、これまでの米州航空機産業におけるコスト的に比較優位な立場を利用した二次的な生産拠点の位置付けであった時代から脱却している。参加した州政府担当者は、いまや同国が北米の高度な先端・航空技術集積の拠点・投資先として最適地候補に成長した旨などを来客に熱心にPRし、企業誘致活動を行っていた。
今回ABICを通じて、かかる貴重な体験をさせていただき感謝するとともに、メキシコ航空機業界の今後のますますの発展を祈念してやまない。アニモ メヒコ!(メキシコ 頑張れ!)