2011年11月中旬、パソナ・グローバル事業部から、ABICの活動を知るところとなったということでコンタクトを受けた。まずは、同事業部が企業から委託を受けた中国への赴任前研修(受講者の会社の業態、赴任者の職位によってテーマを準備)への講師派遣要請がその目的だった。ABICには、中国ビジネスに高い識見、経験を持っている会員が多く登録しているが、講師候補者選定に当たっては、要請先がパソナでもあり、同社での候補者との事前面接など周到な準備を経た後、講師陣を決定した。その後、異業種企業の対象者向けに、中国への赴任前研修を今まで4回にわたり実施してきた。
ABIC派遣の講師陣の、実体験を交えた緊張感の保てる講義内容・手法については、受講者からの評判も高く、きめ細かくこの活動の実現に向けて準備してきた甲斐があって面目躍如たる思いである。一方でパソナ側では、異業種企業向け対象の赴任前研修講座を諸般の状況から、特定企業向けのクローズな形での【グローバルマネジメント・異文化コミュニケーション、交流】を主体とした講座受託に注力しよう、という社内コンセンサスになった。このため、その方針に沿って再度ABIC内で最適な候補者を募り、30人をショートリストの上、それをパソナに提出した。講師の選択に向け、書類選考を経て、講師候補者4人の事前面接をパソナ・対象会社・ABICで実施した。実際の研修【赴任前グロバールマネジメント研修】に至るまでかなりの日時を要し、その間にも紆余曲折はあったものの、2013年1月15日、ようやくある有力通信関連機器メーカーの研修センターにおいて、講師を担当された野地会員による終日研修を成功裏に終了することができた。野地会員の周到な準備に謝意と敬意を表したい。
他方、今までの上記講義は、パソナのグローバル事業部経由であったが、ABIC講師の実績が評価され、社内での横展開も可能ではないかということで、同社の人事部より、グループ企業内人材教育の一環である、【異文化理解・コミューニケーション】の講義を初めて受託した。グループの今後を担う若手担当者を中心に研修を実施し、本件も満足のいく結果を得た。
パソナは、若い社員が多く、皆はつらつとしていて活発、かつ風通しの良いオープンな社風と見受けられ、世間での評判通り素晴らしく動きの早い会社で、本件を最初からコーディネートしてきた当方も感銘すら受けた次第である。
このような関係を続けてきたおかげで、同社社長他幹部とも交流が始まっていて、2013年度はこれらの協力関係を深化させ、さらなる発展を期して努力していきたいと考えている。ABICはかかる活動を通じ、なお一層グローバル化が喫緊な現下の日本企業人材教育の一隅を照らすべく、確固たる地位を築いていきたい。
最後に、今までこの活動に携わっていただいた講師陣、候補者の積極的なご協力に対し厚くお礼を申し上げたい。