活動会員のレポート

日本貿易会/ABIC/関西学院大学/青山学院大学共催プロジェクト

高校生国際交流の集い

 日本貿易会・ABICは関西学院大学と第7回、青山学院大学と第6回の高大連携プログラム「高校生国際交流の集い」を開催した。
 この催しは2007年度からABICと関西学院大学、並びに青山学院大学の共催で関西と関東でスタート、日本と海外の高校生の交流を大学生が企画から運営まで中心的役割を担いつつリード、大学教授、社会人が側面支援を行う産学協同の試みとし、互いに異文化理解を深めることを目的とした高大連携教育の一環として、日本と米州、欧州、アジア・大洋州諸国の高校生が寝食を共にして語り合う国際交流の場を提供している。
 関西は民間国際教育交流団体のAFS日本協会大阪支部、日本国際交流振興会(JFIE)、および神戸龍谷高等学校が、また、関東はAFS日本協会東京支部が協力団体として参加した。

関西(7月25−26日)

ディスカッション指導風景

参加者全員で

 “Break the wall”をスローガンに2013年も関西学院大学上ヶ原キャンパスに高校生と留学生が集まり、2日間にわたる「高校生国際交流の集い2013」が開催された。参加高校は、兵庫県立宝塚西高等学校、兵庫県立国際高等学校、大阪府立箕面高等学校、大阪府立千里高等学校、私立啓明学院高等学校、関西学院高等部で、高校生計35名が参加した。一方、留学生は、AFS、日本国際交流振興会、神戸龍谷高等学校のご協力で、米国、イタリア、フィンランド、スイス、ベルギー、インドネシア、タイ、マレーシア、中国、豪州、ニュージーランドから計28名が参加した。
 初日は、山本関西学院大学副学長による開会の挨拶に続き、グルーベル関西学院院長が参加者の心構えを優しく英語でお話された。次いで、交流行事の中核を支える関学学生スタッフの紹介が行われ、プログラムがスタートした。昼食後のレクリエーションで高校生、留学生が互いに打ち解け、「貧困」、「仕事」、「国際交流」、「教育」、「出逢い」、「識字率」をトピックとする6つのグループに分かれ、大学生スタッフの指導により、ディスカッションを開始した。夜は、宿舎でのレクリエーションで交流をさらに深め合った。
 2日目は、日本を紹介するイベントの他、高校生がディスカッションにうまく適応できるよう大学生スタッフが配慮をしたり、励ましながらグループディスカッションを継続した。最後に、各グループのトピックをベースにした「世界幸福に貢献する」ためのアイデアを、各グループがおのおの工夫をして発表した。審査の結果、優秀賞、準優秀賞に加え、プレゼンテーション手法の特徴を表した特別賞の発表と賞状、賞品授与に続き、関ABIC事務局長より閉会の挨拶があった。歓談が続く中、関学研究推進社会連携機構の石原部長より参加者全員に修了証の授与が行われ、盛会のうちに終了した。行事に参加した高校生と留学生は、これからもSNSを通じて、お互いにつながりを保っていこうと話し合っている姿に、コミュニケーション手段の変化の流れが感じられた。
 この行事も2013年で連続7回と回数を重ねてきたが、最近は、高校生としてこの行事に参加し、関学に入学後、学生スタッフとして高校生をリードするという大学生スタッフがうまれてきた。行事を継続してきたことによる効果の一端を示すものであり、共同主催者として喜ばしいことである。2014年は、学生スタッフがどんな機軸を考えてくれるか楽しみである。

(関西デスクコーディネーター 松尾 まつお 謙二 けんじ たちばな 弘志 ひろし

関東(7月27−28日)

プレゼンテーション

閉会式の後で

 震災の影響によりやむなく中止となった2011年を除き、2007年より毎年実施されてきており、2013年も丸紅㈱の協力により丸紅多摩センター研修所にて開催された。今回はABIC CAMP 2013と銘打ち「Dive!! —to discover something new—」の主題の下にグループごとに独自・個別にテーマを決め、討議を行った。参加した高校生は、青山学院高等部、横浜市立横浜商業高等学校、横須賀学院高等学校、神奈川県立相模原高等学校から20名、米国、ベルギー、スペイン、イタリア、ブルガリア、ハンガリー、ベネズエラ、コスタリカ、タイ、モンゴルから来日中のAFS交換留学高校生18名の計38名。リード役はAFSボランティア大学生、青山学院大学生の計11名。日本側高校生の中には英語は苦手だが、外国の高校生との交流を希望する生徒もおり、またAFS交換留学高校生は日本語研修が来日目的ということでもあるので、交流の場では英語のみならず日本語も可とした。
 例年、開会の場では特に日本側高校生に緊張の色がうかがえるが、今回も大学生スタッフの巧みなリードもあって最初から打ち解けたムードとなり、交流の場にふさわしい雰囲気でスタートした。
 その流れでゲームを楽しみ、お互いにリラックスしたところで、全体ワーク、グループディスカッションに入り、1日目の夕食後には2012年も好評であったグループ対抗のファッション・ショーが行われ大いに盛り上がった。
 2日目午前中もグループごとのディスカッションが進められ、最終プログラムで各グループによるディスカッションの発表会が行われ、参加者全員による投票で選ばれた最優秀グループが関ABIC事務局長より発表・表彰された。
 次に希望者より本キャンプに参加しての感想が述べられたが、短い間にもかかわらず異文化に接することができ貴重な体験となったこと、英語が苦手だったけれど思い切って参加して将来に一歩踏み出せた感じが持てたこと、これを機に将来留学を考えたい、等々、ABICキャンプが目指した高校生間の交流がなされ、今回のテーマたる「Dive!! —to discover something new—」がそれぞれの生徒に起こったと思われた時であった。
 最後に堀内青山学院大学教授のスピーチと参加者全員の記念撮影で無事2日間の幕を閉じた。
 今回の具体的企画から実行面でリードし、本キャンプを実りあるものに導いた大学生スタッフの事後の感想・提案も踏まえ、2014年度がさらに充実した国際交流の集いとなるよう努めていきたい。

(小中高校国際理解教育コーディネーター 川俣 かわまた 二郎 じろう髙塚 たかつか 謙次 けんじ