活動会員のレポート

英語で授業をするための講習会

坂野 ばんの 正典 まさのり (大学講座担当コーディネーター、元 住友商事)


講習会風景

 2013年11月21日と28日の2回にわたりABIC主催で「英語で授業をするための講習会」を開催した。講習会の話の前に、この講習会を開催するに至った背景を簡単に説明したい。近年、日本におけるグローバル人材の育成が急務といわれてから久しいが、政府は2020年を目途に海外からの留学生30万人を受け入れるとの計画を策定している。一方、教育現場の大学でも英語での授業開講が年々増加しており、ABICには多くの大学・大学院より英語での授業の要請が寄せられている。現在、ABIC会員による大学・大学院での授業の約20%は、英語での授業となっているが、グローバル人材育成プログラム等、国の後押しもあり英語での授業のニーズは、今後とも増加する傾向にある。また、2014年春には早期からのグローバル人材育成を目的とした「スーパーグローバル大学」30校が選定され、文科省が支援を行うことになっており、ABICへの講師派遣の要請がさらに増えることが予想される。ABICは、このような講師派遣要請の増加に備えるべく、英語で授業ができる会員の裾野拡大を目的として今回の講習会の開催となった。
 ABICでは大学での英語授業の増加に先駆け、既に5回の講習会を行っているが、過去の講習会が日本人講師による講習会であったのに対し、今回は米国と日本で長年、英語教育に携わっておられるネイティブの講師(米国人)N. ローダー先生に講師をお願いした。初日の講習会当日にローダー先生が急病となり、講習会の延期を参加会員の皆さんに急きょお願いするというハプニングもあったが、1週間後に予定通り開催できた。ローダー先生の人柄と丁寧かつフランクな講義により、講習会は和やかな雰囲気の中で行われ、多くの参加会員より当初の期待以上の講習会であったとの高い評価を頂いた。
 講習会の内容の詳細は省略するが、2日目の講習会では参加会員による「ミニ講義」が行われた。「ミニ講義」では英語での講義経験のある3人の会員に、実際の講義の一部を抜粋して講義をやっていただいた。それぞれの講義に対し、ローダー先生から評価、指導していただくとともに、講習会参加者からも意見をもらうなど、実践的かつ双方向の講習会となった。
 参加者の評価が高かった講習会であったが、ローダー先生からも参加したABIC会員の熱心な受講態度、英語能力など高い評価を受けるとともに、もっと多くの大学でABIC会員を活用すべきとの意見を頂き、講師と参加者双方にとり大変有意義な講習会となった。ローダー先生には今後とも協力いただき、ABIC会員がさらに期待する講習会を継続し、多くの大学に英語で授業ができるABIC会員を派遣していきたいと思っている。末尾ながら、今回の講習会開催に当たり会場設営など多大なご協力を頂いた日本貿易会の山口社会貢献グループ部長に感謝したい。