活動会員のレポート

世界卓球ボランティアのドタバタ日記

西川 にしかわ 裕治 ゆうじ  日本在外企業協会 広報部長(元 双日)


ボランティアの控室で打ち合わせ

研修に始まり決勝に終わる
 GWを利用して世界卓球選手権ボランティアに初参加。2日の研修プラス最低4日間の参加が条件。春雨の3月30日、味の素ナショナルトレーニングセンター(板橋)での1回目研修は、ボランティアの顔合わせが目的。2回目研修は4月26日の代々木体育館。自分は「指定席担当」と知らされ、真っ赤なオフィシャルTシャツと黒ジャンパーが支給された。これが目当ての参加もあるらしいが、これで街を歩く勇気はない。続いて代々木と千駄ヶ谷の体育館を歩いて持ち場を確認。急な階段の上下は還暦過ぎた身にはちときつい。
 2日間の研修が終わり、翌27日は、いよいよ活動初日と意気込んで指定された千駄ヶ谷に朝早く行った。But 何時になっても客が来ず、聞いてみたら「試合は翌日から」。28日以降の担当場所は代々木のはず。なんで千駄ヶ谷に呼ばれたのかは謎。ともあれ、支給された日当1,000円で、GWなのに家で待つ妻へ手土産を買い家路に。

「マルドメ仕様」の代々木競技場
 試合初日の28日は有給休暇を取得し参加。早朝、人身事故で電車が緊急停止、表参道からは徒歩ホで定刻8時に代々木体育館にたどり着く。9時開場で、なぜか指定席階に自由席客が入ってくる。入口に自由席と指定席を示す看板がない。「なぜないの」と聞いたところ、「看板設置を求めたが許可されず」と。「席で食事はOK?」と客に聞かれ、総合案内所に案内したがNo one knows。慌てて協議し「OK」と決め、広い体育館を一周して他ボランティアに伝え終えた途端に、「席での食事はご遠慮を」と場内アナウンス。外国人から「VIP席はどこ」と聞かれてもWho knows。「本当に総合案内所?」と英語で皮肉られ。
 最多の質問はWhere is the toilet? 遠くに小さく「化粧室」の表示が1つあったが、ほとんど見えないし外国人に「漢字」はちと難しい。入口付近には喫煙場所のサインもない。暗くて急な階段に足元照明はなく「危険はいっぱい」。2020年の東京五輪は大丈夫か?
 日本男子は準決勝まで勝ち上がり大会は大盛り上がり。女子は大逆転で5日の決勝に。想定外の決勝戦でテレビ中継予定がなかったが、慌てて4日深夜に中継を決定。5日は早朝の地震で始まり、被害がないことを確認し開場。女子は決勝では負けたが銀メダル。多くのシニアパワーを実感したドタバタ体験だったが、わがままな?ボランティアを必死で束ねた大会関係者のご苦労には脱帽。