活動会員のレポート

日本貿易会/ABIC/関西学院大学/青山学院大学共催プロジェクト

高校生国際交流の集い
 日本貿易会/国際社会貢献センター(ABIC)は関西学院大学と第8回(7月24-25日)、青山学院大学と第7回(7月26日)の高大連携プログラム「高校生国際交流の集い」を開催した。
 この催しは2007年度からABICと関西学院大学、ならびに青山学院大学の共催で関西と関東でスタート。日本と海外の高校生の交流を大学生が企画から運営まで中心的役割を担いつつリード、大学教授、社会人が側面支援を行う産学協同の試みとし、互いに異文化理解を深めることを目的とした高大連携教育の一環として、日本と米州、欧州、アジア・大洋州諸国の高校生が寝食を共にして語り合う国際交流の場を提供している。
 関西は民間国際教育交流団体のAFS日本協会大阪支部、日本国際交流振興会(JFIE)、および神戸龍谷高等学校が、また、関東はAFS日本協会東京支部が協力団体として参加した。


関西(7月24-25日)


プレゼンテーション

参加者全員で
 回を重ねて第8回となる「高校生国際交流の集い2014」を関西学院大学上ヶ原キャンパスを会場に“The First Step”(ココから未来へ)というテーマで2日間にわたり開催した。
 参加高校生は、兵庫県立宝塚西高等学校、兵庫県立国際高等学校、大阪府立箕面高等学校、大阪府立千里高等学校、私立啓明学院高等学校、関西学院高等部、関西学院千里国際高等部から計31人。留学生は、米国、カナダ、コスタリカ、アルゼンチン、イタリア、フィンランド、スイス、ドイツ、ブルガリア、タイ、モンゴル、豪州、ニュージーランドから合計34人が参加した。この行事を推進する関西学院大学生は、よりきめ細かい対応を目指し、2014年は33人が各学部から参加し、高校生、留学生、大学生の総数が98人となり、過去最大の規模となった。
 行事初日は、関西学院大学研究推進社会連携機構社会連携センター長、木本教授の開会挨拶に続き、グルーベル関西学院院長が、関学創立125周年の歴史にも言及し、高校生、留学生に国際理解の重要さと、心構えを分かりやすく英語で語りかけた。次いで高校生、留学生には、グループディスカッションの趣旨が映像を活用し、説明された。続く昼食、体育館でのレクリエーションを通じ、留学生と高校生はすぐに打ち解け合った。午後からは7つのグループに分かれ、参加者が異文化理解を互いに深めるということを最終目標とするディスカッションが開始された。
 大学生スタッフは、高校生に対してテーマにつながる事前課題を出しておくと共に、英語表現の手引メモを準備する等の工夫を行い、限られた時間内で高校生と留学生がコミュニケーションを取りやすくするための配慮が見られた。大学生スタッフ自身は、次年度の大学生スタッフに、行事推進上の反省点、改善点等を引き継いでゆく姿勢が見られる。一方、高校生としてこの行事に参加し、関学に入学後、参加者同士でネットワークをつくり、今度は学生スタッフとしてこの行事の推進に積極的に関わるケースも定着してきており、好ましい循環が生じている。その意味で、本行事も高校生の国際理解教育の側面に加え、大学生の自己啓発効果も現れてきているといえる。
 2日目は、オリジナルうちわの製作を楽しんだ後、グループディスカッションを続け、まとめた結果を高校生と留学生が協力し合って映像を使用したり、あるいは寸劇を挟んだりして、プレゼンテーションを行った。参加高校教諭、留学生を本行事に派遣した機関からの来賓、ABICも加わり、審査の結果、優秀賞および準優秀賞グループを選定、表彰した。参加者の間で各プレゼンテーションを評価し合う試みも加えられた。SNS世代らしく「いいね!」マークを多く獲得したグループに拍手が送られた。関ABIC事務局長による閉会挨拶の後、木本教授より参加高校生、留学生に修了証が授与され、参加者全員が名残惜しそうに歓談した後、家路に就いた。

(関西デスクコーディネーター  たちばな 弘志 ひろし


関東(7月26日)


ゲームで一挙に打ち解ける高校生

スピーチコンテスト風景
 震災の影響によりやむなく中止となった2011年を除き、2007年より毎年実施されてきており、例年1泊2日で行ってきたが、2014年は会場の都合により1日のみの開催となった。今回はABIC CAMP 2014「Stars~Shining in our own way」と銘打ち、参加者がスターのごとく輝き、はつらつと楽しく本キャンプを経験してほしいとの思いを込めたものであった。
 参加した高校生は、青山学院高等部、横浜市立横浜商業高等学校、横須賀学院高等学校、神奈川県立相模原高等学校から20人、米国、カナダ、ベルギー、イタリア、ブルガリア、トルコから来日中のAFS交換留学高校生14人の計34人。リード役はAFSボランティア大学生、青山学院大学生の計11人。日本側高校生の中には英語は苦手だが、外国の高校生との交流を希望する生徒もおり、またAFS交換留学高校生は日本語研修が来日目的ということでもあるので、交流の場では英語のみならず日本語も可としている。
 例年、開会の場では特に日本側高校生に緊張の色がうかがえるが、今回も大学生スタッフの巧みなリードもあって最初から打ち解けたムードとなり、交流の場にふさわしい雰囲気でスタートした。その流れでゲームを楽しみ、お互いにリラックスしたところで、全体ワークを行い、引き続き皆で昼食を楽しんだ後、グループディスカッションを行った。
 最終プログラムとして例年は各グループによるディスカッションの発表会が行われてきたが、今回は参加者一人一人によるスピーチコンテストが行われた。各人のスピーチではさまざまな感想が述べられたが、短い間にもかかわらず異文化に接することができ貴重な体験となったこと、英語が苦手だったけれど思い切って参加して将来に一歩踏み出せた感じが持てたこと、これを機に将来留学を考えたい、さらには本キャンプに2度目の参加者は、前回は英語ができず引っ込んでいたので今回はリベンジを期し参加し大いに楽しめたこと等々、今回ABICキャンプが目指した各人が光り輝き生き生きとした活動を感じさせるものであった。
 外国人留学生も日本の高校生との密度の濃い交流により、日本をより知ることができ、日本に対する愛着も深まったことと思われる。
 最後にABICの齊藤秀久理事長および青山学院大学の増田捷紘教授のスピーチと参加者全員の記念撮影で本イベントの幕を閉じた。
 今回の具体的企画から実行面でリードし、本キャンプを実りあるものに導いた大学生スタッフの事後の感想・提案も踏まえ、2015年度がさらに充実した国際交流の集いとなるよう努めていきたい。

(小中高校国際理解教育コーディネーター 川俣 かわまた 二郎 じろう 髙塚 たかつか 謙次 けんじ