新刊紹介

『なぜ今 中小企業なのか』 2015年3月14日刊

近野 こんの 治夫 はるお(ABIC会員、元丸紅)著 発行所:かまくら春秋社(鎌倉)
2015年3月14日発行 四六版 定価1,000円+税

 日本が目指す国造りは、私の造語ですが敬質大国です。日本が誇る伝統文化は、他の先進大国には見られない日本特有の文化であり、日本以外、質の高い品格を伴う国は見当たりません。日本が唯一敬質大国を目指せる資格のある国です。
 敬質大国への要件は、経済力・外交広報力・防衛力のバランスが必要です。このうち経済力はある程度の規模が必要ですが、1位や2位になる必要はありません。問題は経済力の中身にあります。
 日本国内では約400万社弱の中小企業と約1万社弱の大企業があります。大企業は経済の機関車であり、中小企業は線路であり枕木であり、機関車が走るためには、中小企業による安全が保障されて初めて事故なく走れるわけです。大企業と中小企業がドイツのようにグローバルパートナーとして存在せねばなりません。
 中小企業の活力は、女性の社会進出と地方の活性化に伴うシニア層の活用が望まれます。200社以上の中小企業の現場で交流を続け、あるべき論ではなく実務的な経験を得て、小規模企業経営者や起業家への提言が本書の趣旨です。