来日プログラムでの日本文化講座にて
(2014年9月)
来日プログラムでの企業見学にて(2014年9月)
アフリカビジネスネットワーキングフェアで
熱心に企業に質問するABE研修員(2015年3月)
ABICには、2001年に帝京大学の英国キャンパス校長のお話を頂き、以来13年間同大学の教員を務めた。また2013年秋に、一般財団法人日本国際協力センター(JICE)「ABE Initiative」のお話しがあった。その事業内容から民間企業で豊富な国際経験があり、アフリカ市場に精通した人材が要求される。ABICがJICEに紹介した3人(元三菱商事の小西悟氏、元三井物産の藤井則雄氏、筆者)が、2014年4月から「国際協力機構(JICA)」の実施する「ABEイニシアティブ事業」の受託団体「一般財団法人日本国際協力センター(JICE)」において民間連携支援に参画している。
このODA事業のフルネームは『アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ「修士課程およびインターンシップ」プログラム(Master's Degree and Internship Program of African Business Education Initiative for the Youth)』で、アフリカ全54ヵ国から、約900人の留学生を日本に招聘し、「日本の大学の修士課程+日本の企業でのインターンシップ」により、日本企業の「アフリカビジネスの水先案内人」「日本とアフリカの経済交流の懸け橋」となる人材の育成を目指している。第5回アフリカ開発会議(TICAD V)の際、「官民一体となってアフリカの持続性ある経済発展を支援する政策」として安倍首相により提唱されたものである。自動車ビジネスを通して、アフリカのほとんどの国を知り、数ヵ国に駐在もし、大学教員をやったキャリアから、オールド・ソルジャーとしてお手伝いをしているわけである。
天然資源に加え近年成長を続けるアフリカ市場(10億人市場)は、本邦への資源供給地域としてだけではなく、日本企業にとって将来有望な輸出市場の一つに成長しつつある。この事業ですでに150人ほどの留学生が来日しており、2015年9月来日予定の350人の選考が現在進行中である。
国際性豊かな皆さまはアフリカから何を連想されるだろうか。部族間紛争や難民問題、奴隷貿易、旧宗主国の植民地支配など負の要素が頭に浮かぶ方も多いのではないか。本来同じような部族が同緯度ベルトに居住して、その多くが東西に移動する遊牧民として暮らす国であった大陸が、南北に長い国土に分割された歴史を乗り越えて経済発展に取り組むアフリカ諸国は、新たな時代を迎えつつある。
この事業の成功のためには、各国の旧宗主国や米国とのつながりを乗り越えて、いかにして優秀な学生をリクルートするか、400社を超える日本の現地進出企業が、そのオペレーションの中心にいる有能な人材を2年間日本に留学させる余裕のない状況をどう打破するか、日本におけるインターンシップ受け入れ企業をどう量的に確保するか、という問題がある。留学生は自国と日本の懸け橋としての自覚を持ち、初年度夏のショート・インターンシップと学位修得後の本格的インターンシップに期待しており、日本企業のビジネス哲学や日本文化や日本人を理解した人材育成のため、このインターンシップは、事業成功のキーファクターなのである。
本稿をお読みいただいた企業の皆さまが、アフリカ市場の将来性に着目され、ぜひ本事業のインターンシップ受け入れ企業として名乗りを上げていただきたく、お待ち申し上げております。
お問い合わせ先:
一般財団法人日本国際協力センター(JICE)留学生事業部
Tel: 03-6838-2713 担当者:片山和久