化粧品産業技術展CITE JAPAN 2015
出展ブースにて(左が筆者)
今回小生が担当したのは、パシフィコ横浜で6月に開催された「化粧品産業技術展CITE JAPAN 2015」で、化粧品の原料や処方などの最新技術が一堂に会した国際展示会。
隔年開催で2015年は第7回となる。日本での展示会参加は初めてというインド企業からABICに直接連絡が入り、同展示会でのサポート要請を受けた。
ABICの活動は、その名の「国際社会貢献センター」が示す通り国際的な活動を軸としているが、依頼者が地方自治体、大学など日本国内の関係者である場合は依頼内容も伝わりやすく、時間的にも比較的ゆとりがあるが、外国企業支援は遠隔地からのメールでのやりとりが主となり、また急な依頼も多く、担当の西山コーディネーターは、その点、要請の中身を把握しての派遣者の選任などご苦労が多い。一方、ビジネスアドバイザーの役割は単に指定された語学の通訳だけではなく、当該企業の事業内容・製品を理解・把握した上で、日本あるいは近隣国での市場展開に対し的確なアドバイスをすることを求められており、その職責は大きい。
今回の依頼社はインド中部の企業で、インド特産の果実の種子から抽出した不飽和脂肪酸を含有する成分の化粧品原料を、日本および周辺国の化粧品分野に市場開拓しようというのが出展の目的。イタリアほか欧州には輸出実績があり市場を確立したが、最近中国ほかアジア諸国から日本への観光客の買い物の中で、スキンケア化粧品が土産物の大きな比重を占めることも聞き及んで、社長直々数人の担当者を随伴して訪日を予定しているという意気込みも伝わってきた。ところが会期も近づいた中、ビザの関係で訪日が困難との連絡があり善後策を打ち合わせていたところ、今度は1人のみ参加するとの連絡。さらに参加の1人も東京着が遅れるので、前日に会場に行き、同社の出展スタンド指定場所を訪れ、設定がきちんと行われているか確認してほしいとの要請。急きょ小生が会場のパシフィコ横浜へ駆け付け主催者団体にあいさつ、所定の場所へ案内を受けチェック。会場は会期まで半日というのにまだ小間・スタンド設営の工事真っ最中。当該インド社の気になっていた「マリーンブルー」のカーペットが敷いてあるか、パンフレット用スタンドがあるか、そして「ごみ箱」があるかという3点を確認してまずは準備完了。そういえば両隣の出展社は追加費用のかかるカーペットはなく、フロアはコンクリートのまま。国際展示会場の運営者もきめ細かく費用をチャージする一方、出展社もなかなかしぶいところもある。
いささかドタバタ感もあったが、インドからのR&Dマネジャーも第一日目昼前には成田から会場へ。前日は工事現場のようだった会場もすっかり化粧をした小間・スタンドがお目見え。小生もプレゼン用資料を貼り出し、舞台装置も完了し来訪者に備える。初日は、入場者が増えてきた昼以降はR&Dマネジャーを軸に来訪者に応対。展示商品原料は、かつては規制があったが最近では緩和され、かかる特色のある原材料の市場開拓の余地も出てきた環境下で、単独参加の当該マネジャーも目的遂行に孤軍奮闘の3日間であった。ビザ問題は日本入国ではなく、その後の訪問予定国の在印領事館に手続きをしていたら思わず時間がかかり、旅券がホールドされて結局日本への出発に間に合わなくなったのが原因にて、ABICの状況理解の的確さと事態に応じた対応に感謝しつつ所定の成果を挙げて離日した。