高校生国際交流の集い
日本貿易会/国際社会貢献センター(ABIC)は青山学院大学と第8回(7月18日)、関西学院大学と第9回(7月23-24日)の高大連携プログラム「高校生国際交流の集い」を開催した。この催しは2007年度からABICと関西学院大学、ならびに青山学院大学の共催で関西と関東でスタート。日本と海外の高校生の交流を大学生が企画から運営まで中心的役割を担いつつリード、大学教授、社会人が側面支援を行う産学協同の試みとし、互いに異文化理解を深めることを目的とした高大連携教育の一環として、日本と米州、欧州、アジア・大洋州諸国の高校生が寝食を共にして語り合う国際交流の場を提供している。
関西は民間国際教育交流団体のAFS日本協会大阪支部、日本国際交流振興会(JFIE)が、また、関東はAFS日本協会東京支部が協力団体として参加した。
関東(7月18日)
グループ・アクティビティ
閉会式に全員で
参加した高校生は、横浜市立横浜商業高等学校、横須賀学院高等学校、神奈川県立相模原高等学校、横浜英和女学院中学高等学校から21人、米国、イタリア、ブルガリア、チェコ、スペイン、スロバキアから来日中のAFS交換留学高校生16人の計37人。リード役はAFSボランティア大学生、青山学院大学生の計11人。日本側高校生の中には英語は苦手だが、外国の高校生との交流を希望する生徒もおり、またAFS交換留学高校生は日本語研修が来日目的ということでもあるので、交流の場では英語のみならず日本語も可としている。
例年、開会の場では特に日本側高校生に緊張の色がうかがえるが、今回も大学生スタッフの巧みなリードもあって最初から打ち解けたムードとなり、交流の場にふさわしい雰囲気でスタートした。その流れでゲームを楽しみ、お互いにリラックスしたところで、全体ワークを行い、引き続き皆で昼食を楽しんだ後、グループディスカッションを行った。
最終プログラムとして例年通り各グループによるディスカッションの発表会が行われた。発表を通しABICキャンプが目指した各人がはつらつとした活動を感じられた。
外国人留学生も日本の高校生との密度の濃い交流により、日本をより広く知ることができ、日本に対する愛着も深まったことと思われる。
最後にABICの齊藤秀久理事長(日本貿易会常務理事)および青山学院大学の増田捷紘教授のスピーチと参加者全員の記念撮影で本イベントの幕を閉じた。
今回の具体的企画から実行面でリードし、本キャンプを実りあるものに導いた大学生スタッフの事後の感想・提案も踏まえ、2016年度がさらに充実した国際交流の集いとなるよう努めていきたい
(小中高校国際理解教育コーディネーター 川俣 二郎 、髙塚 謙次 )
関西(7月23―24日)
清原会員による講演
参加者全員で
兵庫県立宝塚西高等学校、兵庫県立国際高等学校、大阪府立千里高等学校、私立啓明学院高等学校、関西学院高等部、関西学院千里国際高等部から高校生計29人、 留学生は、米国、カナダ、チリ、パラグアイ、アイスランド、フランス、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、マレーシア、豪州、ニュージーランドから合計21人が参加した。今年(2015年)は、大学生の就職活動スケジュールの変更に伴い、この行事を中心になって推進する大学生の参加人員数が少し減少したが、18人の大学生が、本行事全体に細かく対応するために事前に参加高等学校を順次訪問し、打ち合わせを行う等の工夫も見られた。
行事初日は、関西学院大学研究推進社会連携機構社会連携センター長、木本教授の開会挨拶で始まり、続いてABIC会員の清原氏が「The tourism strategy of Japan & think over the true global talent」というテーマで分かりやすい英語で基調講演を行った。昼食後、体育館でのレクリエーションを通じ、留学生と高校生はすぐに打ち解け合った。続いて、5つのグループに分かれ、大学生のリードによりグループごとに決められたサブテーマにつき高校生と留学生は活発にディスカッションを開始した。夕食後は、関学の宿泊施設に移動し、交流を続けた。
2日目もグループディスカッションを続け、まとめた結果を高校生と留学生が協力し合い、表現方法を工夫しながら、楽しくプレゼンテーションを行った。参加高校からの教諭、留学生を本行事に派遣いただいた機関からの来賓にABICも加わり審査の結果、優秀賞および準優秀賞グループを選定し、関ABIC事務局長より表彰状を授与した。次いで、木本教授より全参加高校生、留学生に修了証が授与された。齊藤ABIC理事長(日本貿易会常務理事)による閉会挨拶の後、参加者全員が名残を惜しみ、家路についた。
回を重ねるごとに、この行事に高校生として参加した生徒が関学に入学し、次に大学生として行事の推進役の一員となる循環が生まれてきており、本行事を継続してきた成果が見られる。これからも関係者の意見を取り入れながら、交流の集いが参加者にとってより意義のあるものになるように努めてゆきたい。
(関西デスクコーディネーター 橘 弘志 )