活動会員のレポート

中国、何でも見てやろう、中国、何でも食べてやろう

  木村 きむら 正文 まさふみ (元 伊藤忠商事)




 今般、国際理解教育の一貫として、東京都中央区立阪本小学校で「中国」をテーマに講演した。この小学校は1873年(明治6年)に創設された歴史のある学校で、「第一大学区第一中学区第一番官立小学阪本学校」と称され由緒正しい学校である。出身者には谷崎潤一郎も名を連ねている。当日は台風接近で心配したが、無事雨も降らず予定通り講話ができた。体育館に3年生から6年生まで計94人が防災頭巾を座布団代わりにして座り、熱心に耳を傾けてくれた。
 当初、「中国」のことをいくら話で聞かせても、興味を示さないのではと思い、題目を「中国、何でも見てやろう、何でも食べてやろう」とし、徹底的にビジュアルに訴えることを考えた。もし集中しなかったら、指名して質問やクイズ形式で参加させることも考えたが、これは杞憂に終わり、みんな素直でまじめに、時には歓声をあげて反応してくれた。
 冒頭、中国に行ったことがある人、あるいは家族・親戚等が中国に行ったことがあるかと聞いたら、10数人が挙手していたので中国に縁がある人も少なからずいることが確認できた。
 パワーポイントを使って紹介した内容は下記3点。

①中国の世界遺産のうち、九寨溝、黄龍、敦煌、チベット等を紹介。特にチベットは「ポタラ宮殿」、「五体投地」および青藏鉄道でゆく標高5,000mの世界には一度は行ってみる価値がある。

②中国の食文化、激辛の四川料理と、何でも食べてしまう広東料理を紹介した。

③中国伝統芸能の「変面」ビデオを鑑賞。一瞬で顔が変わる驚きと最後素顔になった美女にワイワイガヤガヤと喜んでいた。

 特に食に関しては反応が敏感で、ラーメン、ギョーザ、チャーハン好きの生徒が多いなかで、犬、蛇、ゲンゴロウ、サソリ等を食べることを紹介したところでは大きな驚きや悲鳴の声が上がり、盛り上がっていた。
 阪本小学校は銀座や日本橋のある中央区に位置しており、土地柄外国人と巡り合う機会も多いので、英語と中国語に興味を持ち、外国の友人を作ることを勧めた。また4年後はオリンピックもあり、「お・も・て・な・し」で一番大事なことは「ありがとう」と「笑顔」であることを締めの言葉とした。
 今回94人の小学生の中に1人中国人がおり、最後にお礼のあいさつで「今日は中国を紹介してもらってうれしかった」と。たどたどしい日本語ではあったが、心温まる思いであった。このような機会を頂き、関係各位に改めて感謝したい。