セミナー風景
2016年8月にABICから、「公益財団法人福井県国際交流協会」主催の「海外赴任者生活安心セミナー(中国編)」のお話を頂いた。既に開催された「東南アジア編」に次ぐ第2弾。副題は「中国赴任あれやこれや!」。まさしく私にぴったりのテーマ。わくわく感一杯で準備にいそしんだ。
「公益財団法人福井県国際交流協会」は、県全体の国際化推進の拠点として、国際交流に関する諸事業の開催や県内に居住する外国人の生活相談等幅広く活発な活動を行っている。セミナー開催前、事務局の方と何度か打ち合わせを重ねたが、「福井県下の多くの方々に近隣諸国への関心と理解を深め、将来の各種交流の弾みとしてもらいたい」との強い気持ちを感じ取ることができた。
2016年12月22日、場所は「福井県国際交流会館」。師走の慌ただしい中、二十数人の皆さまに参加いただいた。中国/台湾駐在20年間を通じて肌で感じた中国の真の姿や中国人との付き合い方などを思う存分語らせていただいた。
まずは「中国駐在おめでとう! 中国で学べることは一生の財産。心配されることは何もない。積極果敢に飛び込んで下さい!」とエールを送るべく臨んだ。しかし「中国ってどんな国?」「中国人との上手な付き合い方は?」「中国はこれからどうなっていくんでしょう?」など、いろいろな視点で中国への関心をお持ちであった。「近そうで遠い中国」を何とか「思ったよりずっと近い中国」にすべく話に熱が入った。
まずは、中国を取りまく環境と中国の内情、今後の向かうべき方向性など基礎概念をワンポイントレッスン風にお話しし、
・住んでみて初めて分かる中国(人)のすごさ
・中国人との異文化交流の極意
に話を導いた。同時に駐在員として忘れてはならない心の持ち方として、
・中国で働けることへの感謝の気持ち
・理解/信頼を深める努力と相手への尊敬の気持ち
をお話しさせていただいた。休憩を挟んだ後は、中国駐在時代の懐かしのアルバム集を上映。写真の一枚一枚から生の中国を感じ取っていただいた。
近年、日本のいずこを問わず人口減少や少子高齢化への対応が急がれている。アジア人材の活用も重要課題。そのためには自治体/企業/個々人、皆それぞれが日本国内のみならず広く海外にも目を向けられるグローバルな気持ちを持つことが大変重要だと考える。福井県には、中国を中心に多くの国々の方が学習や仕事に励んでおられる。そして、日本人の親切さや日本の街の奇麗さが大変印象深いと語っている。日本人がこれまで海外の方から頂いた温かい気持ちを、この日本で外国の方にお返しができれば、双方の人材の定着にも大いにつながっていく。
今回の私の話が、福井の皆さまの中国理解・進出に少しでもお役に立てば大変うれしく思う。福井県には有数の繊維/機械/眼鏡産業が集積し、一部は中国でも地道に事業展開をされている。企業間や学校間の交流拡大を通じ、「福井」の名がさらに全世界にアピールされることを期待してやまない。