活動会員のレポート

高校生国際交流の集い2017

  たちばな 弘志 ひろし (関西デスクコーディネーター、元 三井物産)


グループディスカッション

参加者全員で

 関西学院大学との取り組みの一つである海外からの留学生と日本人高校生の交流行事「高校生国際交流の集い」は、今回で11回目の開催となった。この間、大学側担当部署の一貫した方針と各方面への配慮、企画・準備段階を含め行事を現場で推進する在学生スタッフの意欲と実行力、生徒を本行事に参加させる高等学校の変わらぬ積極的な姿勢、加えて、海外からの留学生を支援する関係団体の本行事への理解と協力等が一体化し、今や恒例の行事として定着してきた。高校生の参加希望者も先輩から後輩への引き継ぎにより年々増える傾向にあり、学校側が人数を絞ることに苦慮するケースも散見される。また、近年、新たに参加した高等学校の反復参加など、この行事に対する一定の教育効果を評価していただいていると思われる。
 2017年の「高校生国際交流の集い2017」は、関西学院大学上ヶ原キャンパスを会場に「Link us to next」(夢にきづこう、橋をきずこう)というイベントスローガンの下、7月27日、28日の2日間にわたり開催された。大阪府立千里高等学校、大阪府立箕面高等学校、兵庫県立宝塚西高等学校、兵庫県立国際高等学校、兵庫県立長田高等学校、兵庫県立兵庫高等学校、啓明学院高等学校、関西学院高等部、関西学院千里国際高等部の9校から計56人の日本人高校生と、米国、カナダ、アルゼンチン、ブラジル、フランス、ドイツ、フィンランド、スイス、デンマーク、豪州、中国、タイ、フィリピン、13ヵ国からの留学生計28人が参加した。参加者総数は過去最大の84人となり、行事を運営する関学学生スタッフも各学部から総勢42人が参画した。
 2016年3月に関学内に組織されたKGIH(Kwansei Gakuin Global Inspiration with High school)が2年目の活動として本行事の企画、準備、遂行まで全ての作業を担当した。行事初日は、関西学院大学研究推進社会連携機構社会連携センター長、野村教授の開会あいさつで始まり、続いてABIC会員の瀬尾さんが「多文化共生を考える」というテーマにつき、英語で自身の海外生活経験を交えユーモアあふれるスピーチを行った。昼食後、体育館で留学生と高校生は協力しながらチーム対抗ゲームに興じ打ち解け合った。2017年は参加者が多く、9グループに分かれ、大学生のリードによりグループごとに決められたサブテーマにつき高校生と留学生はディスカッションを開始した。夕食後は、関学の宿泊施設に移動し、交流を続けた。
 2日目もグループディスカッションを続け、グループごとにまとめた結果を各グループが表現方法に工夫をしながらプレゼンテーションを行った。参加高校からの教諭、留学生を本行事に派遣いただいた機関からの来賓に、ABICも加わり審査の結果、優秀および準優秀グループを選定し、懇親会席上でABIC岩城理事長より表彰状を授与した。次いで野村教授より全参加高校生、留学生に修了証が授与された。最後に岩城理事長より閉会のあいさつが行われ、恒例となった参加者全員での写真撮影を行った。行事終了後も参加者がSNSを通じ交流を続ける等、時代を反映したツールを駆使した現象も見られる。KGIHの学生が編集、作成する参加者用ガイドブックも年を追うごとに中味が充実してきている。
 これからも関係者の意見を取り入れつつ、高校生にとって、また彼らをリードする大学生にとって、より実りある行事となるようにしてゆきたい。