第87回東京インターナショナル・ギフト・ショー」公社ブースにて
グラスアート黒木 中山課長補佐と筆者(左)
ジャパンデントーコーポレーションにて
堀井社長(右)と中山課長補佐
2017年6月にABICから宮崎県のガラス工芸作家・黒木国昭先生が海外展開の手伝いを探しているとの募集を目にし、東京都中小企業振興公社に勤務していた折に、江戸切子を製造販売する会社を2社ほど支援していた経験から早速応募した。
面接でお会いした黒木先生のガラス工芸品に込める「熱い想い」をお聞きし、何とかお役に立つことができたらと以下に述べるようないろいろな活動を行ってきた。
まず考えたことは、①関東エリアでの拡販をメインとするが、商品の特徴(「和」の精神を表現)から、先生の作品は海外の方がマーケットがより広いのではないか、②そのためには海外の展示会への出展の機会を提供する、③国内外の百貨店での「個展」による販売メインの柱に加えて、空間装飾市場(建築物の一部としてガラスを使用)を拡大することであった。
海外における販路開拓の基本に据えたのは、(1)マーケティング(市場価格、競合他社の販売価格など)を調査して自社のメイン商品をどこで売るかの戦略立案から始める、(2)3年から5年の期間をかけて自社の販路を確立する長期的なビジョンの設定、(3)時代の変化に敏感に対応した商品化。これを進めるために東京都中小企業振興公社の支援商品としての認可を受け、2019年は2月12日─15日にビッグサイトで行われた「ギフト・ショー」に出展。また、夏以降に同公社の支援商品として海外展示会への出展という新しい市場デビューを計画している。今後の事業の大きな柱として期待される「コミッションデザイン」=「空間装飾事業」に関してジャパンデントーコーポレ―ション(漆、紙、箔、金属など伝統工芸品を「日本の『つくりて』の想いを世界の『もとめて』に繋ぐ」をキーコンセプトとする専門商社。外務省のロンドンにある「ジャパンハウス」、JR東日本の「TRAIN SUITE
四季島」への納入実績あり)との協業である。
また、2019年は以下の三つの目標を立てた。
1. TTP11が施行されフォローウインドが吹くベトナムは私が駐在した関係から、乙仲を始め現地のネットワークがほぼ確立しており、ホーチミンで「個展」を開催すること。「ボストン・コンサルティング・グループ」によれば、ベトナムは2020年には中間層が2,250万人、富裕層は1,020万人、人口は9,610万人になると予測。この結果、中間層は人口の23%、富裕層は11%まで増加し、国民の3人に1人は中間・富裕層になるといわれる。ASEAN諸国の中でもポテンシャルの極めて高い市場。
2. ジャパンデントーコーポレーションとの協業により海外の高級和食レストランや5-Star Hotelに「空間装飾事業」の実績を上げること。国内は、富裕層の別荘や自宅にステンドグラスのように室内装飾用途としての実績を上げる。
3. ジェトロ新興国進出支援でお手伝いをした中央ビルサービスの奥田社長(東京立川こぶしロータリークラブ(注)の役員)から、東京立川こぶしロータリークラブの例会でメンバー(94人)に対して黒木先生から「卓話」を通じて「硝子作家の『想い』、『作品を通じて伝えたいこと』」などについて講演願うご提案をいただいた。これを機会に各地域でリーダーシップを取っている多くのロータリアンに「ガラス作家」の素晴らしさを知っていただきたいと思っている。
(注)東京立川こぶしロータリークラブ(国際ロータリー第2750地区)は東京西南部とミクロネシア地区の99クラブで構成され、地区会員数4,800人を超える組織。