新刊紹介

『アヴィエーション・インダストリー -航空機産業の経営戦略-』

閑林 かんばやし 亨平 こうへい (ABIC会員、元トーメン)著
発行所:文眞堂 定価:2,800円+税
発行日:2020年1月12日

著書紹介:
 航空機産業は社会の基盤となる産業にもかかわらず、自動車や電機などに比べて長く大量生産とはかけ離れた生産方式を取ってきた。筆者はこの産業に深く関わってきた経験を生かして、航空機産業の発展とその個別の企業、さらに国・地域ごとの育成産業政策に注目してきた。本書の中で世界各国の航空機産業企業およびその傘下企業群、さらにそこにおける技術革新の取り込まれ方を観察してきた。ここでは大きな特徴として、まず技術革新を取り込めなかった企業は厳しく選別され、取り残される。さらにそれに加えて産業の寡占状況の進度が挙げられる。常に独占との戦いで寡占状態が長く続くのもこの産業の特徴である。また最近は1社だけで開発と生産を行う企業はほぼ皆無で、プロジェクト(機種)ごとに「戦略的提携(Strategic Alliance)」を組むこともほぼ一般的になってきた。
 三菱スペースジェットの開発までの苦闘やホンダジェットの思わぬ大成功も盛り込んで、世界の航空機産業を俯瞰ふかんしている。