活動会員のレポート

兵庫国際交流会館(HIH)での活動

日本語広場・日本文化教室
 ABIC日本語広場は、日本学生支援機構(JASSO)の西日本で唯一の留学生交流拠点である兵庫国際交流会館(HIH)にて、2015年5月から開始し受講者延べ数は759人だった。その後順調に推移し、2018年度は2,126人と過去最高を記録した。しかし、2019年度は、新型コロナウイルス感染拡大で2月下旬より活動の中断を余儀なくされ、1,487人と大幅ダウンとなった。2020年度に入っても感染拡大は収まらず活動再開は保留となっていたが、4月中旬に、講師の中からオンライン授業の提案があり、関係者で検討の結果受け入れることとなった。オンライン授業は、時間制限がなく無料で使用でき、他のシステムより安全性に勝ることから、Microsoft Teamsを採用することとし、JASSOの承認を得て、5月8日より開始した。これに先立ち講師、受講者とともに事前テスト授業を7回開催した。講師の中にはオンライン授業は初めての方もいるので、不安を払拭ふっしょくするためだった。オンライン授業は週3日、11人の講師が6月20日まで合計20日間行い、受講者延べ数は227人だった。
 一方、対面式授業は、5月末にJASSOとABICが協議の結果、6月22日より再開することが決定され、HIHにても6月22日に再開となった。
 再開には、新型コロナウイルス対策が重要で、関西デスクからは、①3密の回避 ②マスクの着用 ③教室は換気に留意し窓を開放 ④手洗い消毒の励行 を受講者に通知した。さらにJASSOの指示で、検温をして37.5度以上の人は入室できないこと、同時に味覚、嗅覚のチェックを7月20日より開始している。
 これに対し、HIHの対応は以下の通り感染リスクを徹底的に排除したもので、講師、受講生にとり不安を感じさせないものになっている。

①在館生と、館外生、社会人の入館にはレーンを設けてソーシャルディスタンスを保つとともに留学生の居住フロアへの進入を禁じる。

②玄関、部屋、入口、フロアの各所にアルコール消毒液を配置し注意事項(3密の回避、マスクの着用等)を掲示。

③教室の総収容人数を半減、つまり研修室1は60人から30人に、研修室2、3は12人から6人に。換気のため部屋の入口と窓2ヵ所を開放する。

④エレベーターは、定員11人を4人にする。

⑤検温、味覚、嗅覚をチェックし、HIH日本語広場・文化教室参加者確認表に参加者名、電話番号を記載してHIHに提出する。

 文化教室は、オンラインでの困難さもあり、4月および5月は活動を中止していたが、6月から対面式で再開した。人気の高い華道は、前期に引き続き熱心な受講生が多く、初等科を終えてさらに上のコースを目指す人もいる。従来の美術室から広い研修室1にて開催しており、講師よりは十分なソーシャルディスタンスが取れ、大変気持ちよく教えることができると好評だ。空手には、ウガンダ、ベトナムからの女子学生が男子に交じり参加している。子供のころから空手に憧れていたとのことで熱心に稽古をしている。書道は、漢字が初めてのタイ人がコンスタントに参加しており講師の評価も高い。
 ところで、ABICのもう一つの支援活動である留学生支援バザーは、コロナ禍で本年(2020年)度は中止せざるを得ないことになり大変残念である。ただ、4月、10月の年度初めに入館した学生は、大半が転居してきたもので、すでに日本での生活体制は確立している人が多い。新型コロナウイルス感染が早期に収束し、留学生が来日でき通常の生活に戻れる日を切望する。

(関西デスクコーディネーター)


日本語広場オンライン授業

華道教室

空手教室