活動会員のレポート

SDGs Ideathon 2020(高校生国際交流の集い)

  たちばな 弘志 ひろし (関西デスクコーディネーター、元 三井物産)


初のon line開催 参加者全員で

岩城理事長(右上)による閉会式での表彰状授与

 今回で14回目となる「高校生国際交流の集い」は、新型コロナウイルス感染症対応のため3月の準備段階から実施形態上の大きな変更を余儀なくされた。交流のパートナーである海外留学生の不在、行事のコアとなる合宿での交流ができなくなり、discussion形態も対面からon lineに変更せざるを得なくなった。この異例の事態に対応するべく関西学院大学の学生組織KGIH(Kwansei Gakuin Global Inspiration with High school)メンバー33人が、参加予定高等学校との準備作業を開始した。一方、高等学校側でも一斉休校、授業日程の大幅な変更などで教育現場に多大な負担がかかる中、参加希望生徒への指導を行った。
 今回は行事の名称を「SDGs Ideathon 2020」と改称し、One day or Day one(「いつか」か「今日」か)というテーマに決定、参加高校生のグループ分けにより、グループごとにSDGs Goal 3 「すべての人に健康と福祉を」の課題についての英語学習を含めた事前学習支援が行われた。
 行事当日となった8月11日、12日の2日間はon line meetingシステムZoomを駆使し参加高校生と関西学院大学が結ばれた。参加校は、兵庫県立国際高等学校、兵庫県立宝塚西高等学校、兵庫県立長田高等学校、兵庫県立兵庫高等学校、神戸市立葺合高等学校、関西学院高等部、関西学院千里国際高等部、啓明学院高等学校、帝塚山学院高等学校の計9校で、計29人の高校生が参加した。また、ボランティアのインターナショナル・サポーターとして9ヵ国からの関西学院大学の外国人学生16人、関西学院大学国際学部のゼミ学生3人、計19人がKGIHメンバーと共に高校生の英語によるdiscussionをサポートした。これが従来の留学生との対面による交流に代わるものとなった。
 行事1日目は関西学院大学社会連携センター長、野村教授によるあいさつに続き、関西学院大学OBで「NPO法人みらくる」の御子柴氏の基調講演、次いでKGIHメンバーの紹介後、高校生はSDGs課題の6グループに分かれてdiscussionに入った。
 2日目も適宜インターバルを取りながらdiscussionが続いた。各グループがおのおののSDGs Goal 3 「すべての人に健康と福祉を」の課題を実現するためビジネスプランを作成し、全員で協力しながらpresentationする形式となった。発表に際しKGIHメンバーの香港からの留学生が、参加高校生にも理解しやすい英語で司会、進行を担当した。ABIC東京からもZoomを通じてon line審査、評価に参画した。
 閉会式ではABIC岩城理事長がpresentationの審査結果を発表し、上位3グループに表彰状を授与した。伝統あるこの行事も今回は期せずしてnew normalに呼応した変革が求められたが、関西学院大学研究推進社会連携機構の細かい配慮により参加高校生、実施主体となった学生にも思い出多いイベントとなった。来年(2021年)度の実施形態は現時点では不確定だが、今回の経験を生かし、さらに進化したものとなろう。