活動会員のレポート

高校生国際交流の集い2021

  たちばな 弘志 ひろし (関西デスクコーディネーター、元 三井物産)


参加者全員で

宮本ABIC理事長による表彰状授与

 2007年以来、今回で15回目となる「高校生国際交流の集い2021」は、新型コロナウイルス感染症が広がる中、交流のパートナーである外国からの留学生の不在に加え、宿泊を伴う対面での行事を実施できず、2020年同様、onlineでの開催を余儀なくされた。2020年の経験を踏まえ、関西学院大学の学生組織KGIH(Kwansei Gakuin Global Inspiration with High school)メンバーが、参加高等学校の募集、高等学校側の担当教諭との事前協議などの準備作業を行い、高等学校側においては、参加希望生徒の募集、大学側との希望者数の調整などがスケジュールに沿って行われた。
 今回は共通スローガンを「Distance But Not Distant ~離れていても心はひとつ~」とし、ディスカッションテーマをSDGsゴール4「Quality Education(質の高い教育をみんなに)」とした。このテーマに基づき、参加者の事前学習支援がKGIHメンバーの協力で行われた。
 行事当日の8月4日および5日の2日間はonline meetingシステムZoomにより参加高校生と関西学院大学が結ばれた。2021年は、大阪府立箕面高等学校、兵庫県立宝塚西高等学校、兵庫県立長田高等学校、兵庫県立兵庫高等学校、神戸市立葺合高等学校、関西学院高等部、関西学院千里国際高等部、帝塚山学院高等学校の計8校から28人の高校生が参加した。関西学院大学7学部から留学生を含む31人のKGIHメンバーが行事の推進役となった。
 全編英語が使用される本プログラム初日は、関西学院大学副学長・研究推進社会連携機構長の長峯教授による開会あいさつ、KGIH副代表のあいさつに続き、KGIHメンバーの紹介、次いで関西学院大学OBでミュンヘン工科大学大学院生の入山竜之介氏の基調講演が行われた。午後からは、参加高校生はレクリエーションプログラムをonlineで経験し、グループ構成メンバーを互いに知り合い、その後、SDGsの目標に沿ったテーマにつき7グループに分かれてディスカッションに入った。
 2日目も適宜インターバルを取りながらディスカッションが続けられた。ディスカッションの成果として、各グループがおのおののテーマに基づく課題を実現するためのビジネスプランを作成し、グループ全員で協力しながらプレゼンテーションを行った。参加高等学校の教諭、ABICの理事長、事務局長、コーディネーターらもZoomを通じてonlineで審査、採点、評価に参画した。
 閉会式では、審査結果に基づき宮本ABIC理事長が上位3グループに表彰状を授与し、関西学院大学社会連携センター長・野村教授が参加者に修了証を授与した。今回もonline形式での開催となったが、関西学院大学研究推進社会連携機構の配慮により円滑な運営が行われた。
 参加高校生にとっては思い出の多いイベントになったと思う。また、参加者全体のITリテラシーの水準から長年続いてきた本行事の変遷と進化が感じられた。2022年は対面による実施の復活を望みたいが、不透明な部分も多い。しかし、2年続いたonline形式での経験がさらに生かされ、KGIHメンバーの本行事に対する絶えぬ熱意によって新たな視点が加わることも期待される。