日本語広場
ABIC日本語広場は2015年5月から開始し、2018年度には年間受講者数延べ2,126人と過去最高を記録した。しかし、2020年度は新型コロナウイルス感染拡大で1,067人と半減し、2021年は1,562人とやや持ち直した。政府の緊急事態宣言が断続的に発出され、その都度対面からリモートでの授業を実施したが、2022年3月以降はこれが解除され対面授業に戻っている。2022年度上半期は、974人となり通年でも前年度を超える受講者数が見込まれる。
一方、オミクロン株第7波は8月がピークで現在は落ち着いており、一般の感染対策はかなり緩和されてはいる。しかし従来から兵庫国際交流会館(HIH)が実施している対策、①三密の回避 ②マスクの着用 ③教室は換気に留意し窓とドアを開放 ④手洗い消毒の励行、等は事態の急変に備え現在も実行している。
コロナ禍で実施されてきた入国制限は2022年後半に解除になり、9-10月以降50余人の入館者があった。そのうちアフリカからの学生は20余人と一番多く、次いで中東、一方中国、韓国、台湾などからは以前に比べて少なかった。アフリカ、中東からの学生は、日本語はあまり話せず、初級クラスでの受講が一般的だったが、今回は少し異なり、すでに自国で日本語を習得し、いきなり上級、中級クラスで受講する学生も出てきている。特に上級は、従来は3-4人の受講生であったが、7-9人となり、定員6人の研修室3から大きな研修室1で開催している。彼らはHIH退館後は日本での就職を目指しており、講義内容も就職に役立つ内容、例えば、ビジネスメール、ビジネスマナー、敬語の使い方等になっている。この傾向は今後も継続するものと思われる。
日本文化教室
日本文化教室活動は、2021年度はオンライン授業が困難なことから時折休講を余儀なくされたが、2022年度は対面授業になりクラスに明るさが戻っている。最も人気のある華道は、修了証の取得に向け2021年度から熱心に参加する学生が多い。この度、来日前に中国の日本華道教室に通い准教授の資格を取得した学生が参加した。さらに上(家元教授)を目指したいとのこと。受講者は中国、台湾、韓国だけでなく米国、英国、フランス、モロッコ、ジブチ、カンボジア等の学生、それに日本人(RA)が参加している。作品について各自説明し合うことにしているが、講師も驚くほど上達している受講者が出ている。
空手は、アフリカ出身でHIHのOBが毎回参加し、講師の指揮下、積極的に後輩の指導に当たっている。常連が多い中、今回久しぶりに女子学生が参加し華やいだ雰囲気になっている。空手は初めてとのことだったが、日本語を理解できるので空手の神髄に触れたとのこと。
書道教室は、従来は熱心なタイの受講生と中国からの学生数人の少数精鋭だったが、このところ非漢字圏のアフリカ、中東、欧米からの学生が興味を示し、直近では9人と過去最高を記録している。彼らは、日本語広場では漢字に苦労しているが、書道で漢字に興味を持ってもらえればと願っている。
ところで、ABICのもう一つの留学生支援活動である新入生歓迎バザーについて2021年度は中止していたが、2022年度は5月に実施し、12月にも実施の予定である。
(関西デスクコーディネーター)
日本語広場
華道教室
書道教室