マンスリー・レポート No.48 (2004年12月)
  中小企業支援活動―地方自治体への協力

 地方自治体への協力は、既にたびたびご紹介しているが、これまで準備段階としていくつかの自治体との間で、打ち合わせしてきた話が、最近具体化しつつあるので、その一部をご紹介する。

 構造改革の柱の一つとして、地方税制改革、地方自治の確立、および地方の活性化が叫ばれ、各自治体はこぞって産業の振興・育成、産業の誘致、物産販売の拡充等の方針を打ち出している。そのため、これら各分野に多くの知識、経験を有する人材をアドバイザーとして求める自治体が多くなってきている。

●中小企業国際ビジネス支援
 千葉県が進める国際ビジネス支援事業に対するABICの協力として、昨年に引き続き今年も、県内中小企業の海外展開を支援するための海外取引アドバイザー、同じく自社のホームページ、パンフレット等の英・仏・独語訳、中国進出のための実務支援あるいは社内講習会講師等に延べ10数名の会員が活躍している。

●国内外の企業誘致
 地場産業の振興・育成・活性化を図るため、各自治体が造成した工業団地等への企業誘致も活発に行われている。
 宮城県に引き続き、愛知県でも企業誘致アドバイザーとして2名の会員が採用され、商社勤務時代に培った経験、知見、人脈をフルに活用した活動により、企業誘致の成果が期待されている。

●中小企業製品のマーケティング・物産の販路拡大支援
 東京都が推進しているビジネスナビゲーター制度に続き、他の自治体でも同様の事業が進められている。
(1) 埼玉県が選定した企業の製品を、主として首都圏で拡販するもので、手始めの一社に続き、第2弾の推進について折衝中である。中小企業の製品は、かなり特殊なものも多く、商社OBにとって不得手な分野、あるいは商品グループの範疇の選定が難しく、これまで取り扱った商品とかけ離れたものもあるが、採用された会員は積極的にチャレンジしている。
(2) 宮城県が選定する県内企業製品の首都圏でのマーケティングで、食品ならびに情報通信関連の数社が選定される予定である。細目についてさらに打ち合わせのうえ、具体的作業に入る。
(3) 大分県が進める、大分県産品の輸出振興アドバイザーとして、1名の会員が活躍している。中国・華東地区に的を絞って同県産品の輸出体制を確立すべく、県内の関連企業等で構成されるワーキンググループに対するアドバイス、上海での物産販売展示会開催のための現地調査、準備、開催実施等を取り行うべく、鋭意奮闘中である。

 個々の中小企業ならびに地方自治体から寄せられる人材推薦の要請は、今後ますます増加するものと考えられる。ABICとしてできるだけ多くの機会を会員各位にご提供できるよう、活動を広げていきたい。今後とも会員各位ご自身の経験、知見、人脈を生かすべく、積極的なご応募、ご参加をお願いしたい。

(中小企業支援担当コーディネーター 高廣 次郎)

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