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Bank
College校舎前にて筆者 |
2003年11月から中央アジ・アウズベキスタンの首都タシケントにJICAから派遣され、ボランティア活動に携わっています。ウズベキスタンは中央アジア5ヵ国のうちのひとつで、人口は2,500万、面積25万m2、14世紀にこの一帯を統治したティムール帝国の首都サマルカンドがあった国です。
私の指導科目は同国の「銀行システム」構築で、現在、3ヵ所で講義を行っています。
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Bank
Collegeの学生たちと |
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Bank Collegeサマルカンド校での講義風景 |
第一は、当地の高等教育省所管の「Bank College」です。ここは将来、銀行など金融機関への就職を希望する学生のための3年制の学校で学生数は約2,700名、カレッジといっても学生は年齢が15歳から18歳、日本でいえば高校生です。したがって学生は会社勤務の経験はありません。ここでは金融、銀行経営、銀行実務、起業論(entrepreneurship)などの科目を担当して週10時間の講義を行っています。
ウズウベキスタンは1991年の独立以降、市場経済化を進めていますが、隣国のカザフスタンなどに比べるとその進展は遅れていて、IMFなどの評価は芳しくありません。銀行は数こそ33ありますが、ソ連から独立時のルーブル預金の封鎖、その後の超インフレ下での預金の目減りなどがあって市民の銀行への信頼度は低く、手元のお金を銀行に預金しようとする意欲は高くありません。また商売は現金取引主体で、小切手、手形は使われていません。まだマネーサプライのM1(通貨発行量)の数字すら公表されていませんが、M1に対するM2(預金通貨を含めたもの)の割合もかなり低いと推定されます。
したがって学生にWorking capitalの概念や銀行の信用創造を説明するにもたいへん苦労します。
第二は国立大学のUniversity of World Economy and Diplomacy国際金融学部で週4時間の銀行論の講義です。ここは2005年2月から講義を開始したばかりですが、学生は優秀な学生がそろっていると聞いていますので期待しています。
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ナボイ劇場 |
そして最後が企業経営センター(The Center of Corporate Governance)での講義です。ここでは国営、民間の企業の社員を対象にしたセミナーが開催されていて、やはりこの2月から講義を始めたばかりです。週2時間の財務管理の講義で、1クラス15人程度の少人数を対象にしたセミナー形式です。
なお当地へは第2次大戦の終戦直後に満州から多数の日本人抑留兵が移送されてきて、各地で建設活動に携わりました。そのひとつに国立のオペラ・バレエ劇場のナボイ劇場があります。
この劇場はタシケントまで強制連行された抑留兵約450人によって建設され、1947年に完成したものです。レンガ造り、ビザンチン風外観の3階建ての建物は1,400の客席を擁し、これまでに数々の名公演が行われてきました。建設後、半世紀を経た今なおタシケントのシンボルとして壮麗な姿を見せています。
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