マンスリー・レポート No.68 (2006年8月)
 

アミューズメントパークについて明星大学で講演

 明星大学の経済学部経済学科(日野校:日野市程久保)では、昨年から1年生全員(300名)に「自立と体験」という講座を開講している。その講座の学外実習として創立記念日の5月20日に、東京ディズニーランドを全員で探訪する企画が立案されていた。そのため同学科では1週間前の5月13日に学外からゲストスピーカーを招聘し、「アミューズメントパークが日本経済に与えた影響」というテーマの講演を企画し、講師の選任が行われていた。学生の探訪が有意義に行われ、また後日のレポート作成の手助けになる内容の講演が求められ、ABICに講師派遣の要請があった。
 アメリカに5年駐在し米国のディズニーランドには数十回訪問した経験をお持ちの志村昌之氏(元東急観光)にお願いすることになった。
 最近ABICには、大学以外の組織からも、多岐にわたる専門分野の講演依頼や研修会の講師・パネリストの依頼が来るようになった。本件のように商社活動と関係の薄い分野でも、主催者側のニーズにお応えして、専門家を派遣できるのは非常に喜ばしいことであり、ABICの最大の強みであると思われる。今後も大学を始めいろいろな組織の、幅広いニーズにお応えしていきたい。
 以下は、土曜日ではあったが、大教室で約300名の学生の皆さんに熱っぽく講演された志村氏の感想である。
(大学担当コーディネーター 谷川たにがわ 達夫たつお

活動会員のレポート

明星大学での講演を終えて

  志村しむら 昌之まさゆき(元 東急観光)

 この度、明星大学経済学部にて「経済学的見地からのディズニーランド」ということで講演をしました。講演内容は、(1)ディズニーランドの歴史、(2)東京でディズニーランドが出来るまでの背景、(3)経済的効果、(4)他のアミューズメント施設の違い、(5)東京ディズニーランドから学ぶ視点について、と致しました。

 今回の講演は、経済学部の学生が学外学習の一環としてディズニーランドを訪問するためでしたので、学生の皆さんにディズニーの歴史からその経営哲学を知ってもらいたく、ディズニーの歴史から話を始めました。

 また、講演の中で経営学の視点から、経営の中で重要な点の一つに“コンプライアンス”(法令順守)があることをライブドアに触れつつ話しました。

 ディズニーの歴史の中でもディズニー兄弟の死により、会社衰退の時期や乗っ取りにあうという経営危機もあり、いかにこれらの危機を乗り切ったかを、CEO(最高経営者)マイケル・ワイズナー氏の経営理念の話を通して、ライブドア問題との違いを理解し、また興味を持ってもらえればとの思いもありました。

 東京ディズニーランドが出来るまでの話では、ディズニー側の直接投資あるいは資本参加での参画で彼らの利潤獲得の違いを知ってもらいました。またディズニーランドが出来ることにより、いかに他の業種に経済的効果が及ぶか解説しました。将来を担う学生のみなさんに起業家精神を持ってもらいたいとの思いからです。

 これからは世界をリードする若者が日本からも出て欲しいと思っています。最近の就職傾向の中で就職してもすぐにやめてしまう人も多く見られ、このような問題を考えますと、ディズニーの経営理念や従業員教育のあり方や他のアミューズメント施設のあり方を知ることにより、労働について考えてもらえればと思い講演を締めくくりました。

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