マンスリー・レポート No.69 (2006年9月)
活動会員のレポート
  財団法人さいたま市産業創造財団のコーディネータ活動
  錦織にしこおり 浩治こうじ(元 山之内製薬〈現 アステラス製薬〉)
ワーキンググループ活動で説明する筆者

 ABICより紹介されて、私が「財団法人 さいたま市産業創造財団」のコーディネータに就いたのは2005年4月で、おかげさまで1年と数ヵ月を過ごすことが出来ました。

 「財団法人 さいたま市産業創造財団」は、さいたま市が政令指定都市になったのを期して、中小企業支援および新産業創造を目的に100%さいたま市の基金で設立されました。経費はさいたま市の予算で運営されています。

 財団の業務は、大別して、既存の中小企業支援と、創業者支援の2つに分類されます。

  1. 既存の中小企業支援としては、経営や人事・資金繰り等に関する窓口相談やそれを発展させた専門家を派遣しての改善事業があります。弁護士、弁理士、社会保険労務士、公認会計士、税理士、中小企業診断士ほか様々な専門家に登録して頂いて相談に応じてもらっています。更に、各企業の経営改善や新規事業立ち上げに役立つ各種のセミナーや勉強会等を開催しています。
  2. 創業者支援活動としては、インキュベーション施設としての『案産館』での活動が中心です。ここでは、創業準備中の人や創業間もない人たちを集めて、新しいビジネスを開始するのを手伝っています。それと、年1回表彰する『さいたま市ニュービジネス大賞』を設けて、新しいビジネスの芽を発掘すると同時にその育成も図っています。また、ベンチャー塾、創業準備実務講座等も設けて、創業者支援にあたっています。

 コーディネータとしての仕事は、これらの業務を推進していく中で、具体的な各企業の要請に基づいて、問題解決の糸口を斡旋することです。例えば、大学の研究の中でその解決方法を見いだしていく場合には、いわゆる「産学連携」としてのコーディネータ活動が必要になります。一昨年の国立大学の独立法人化以来、大学側の意識や制度も大きく変わり、「産学連携」の機会や必要性がますます高まってきております。また、販路開拓や商品の共同開発等では企業間の「マッチング」が必要になります。「マッチング」は、いわば企業間のお見合いのようなものです。

 コーディネータ活動は、企業1社の要請に対して行うことも多いのですが、例えば、数社を集めてワーキンググループ活動を行ったり、コンソーシアム形成に向けて活動を行ったりもします。

 本年6月から、埼玉県とさいたま市との共同運営によって、『産学連携支援センター埼玉』が発足しました。私も財団から派遣されてそこでのコーディネータ活動を行っております。このような県と政令指定都市との共同運営事業は全国でも珍しく、私も頑張っていい成果につなげたいと思っております。

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