マンスリー・レポート No.71 (2006年11月)
  世界の諸情勢と日本の食への影響についての講演
  ―日本給食品連合会(日給連)夏季研修会―

 7月13日から14日にかけて1泊2日で、日給連の夏季研修会が200名を超える出席者を迎え、京王プラザホテルで行われた。田中耕太郎日給連会長の開会挨拶の後、ABIC名鏡事務局長がパワーポイントを使いながら10分間、ABICの現状を説明した。その後、ABICの会員4名が各自のテーマで講演し、14日のパネルディスカッションでこの研修を締めくくった。

 日本給食品連合会(日給連)は今年47周年を迎え、主として業務用食品の卸売業を行っている会員企業が、学校給食、産業給食、弁当や仕出し等の集団給食・外食関係ユーザーへの食材供給を行っている。70社の有力な会員企業と24社の特別会員(メーカー)で、非常に活発に運営されている。

 1979年ころから会員向けにセミナー、シンポジウム、研修会が毎年企画され、多方面からの講師による講演が行われてきた。
 今年のテーマは、高騰し、なおかつ需給が世界的に逼迫する資源と、連合会が一番関心を持つ日本における食料・食材への影響を取り上げることとなり、ABICに対し講師の派遣の要請があった。

 講演のテーマと講師は以下のとおりである。
7月13日
 (1)「鉱物資源の世界的需給動向と日本の食への影響について」 牧村恢臣氏(元 三井物産)
 (2)「世界の食糧事情と日本の食文化について」近藤治夫氏(元 丸紅)
 (3)「BRICsから見た食糧問題について」田内 裕氏(元 三井物産)
7月14日
 (4)「躍進するニューフロンティア−ベトナム農業について」 一色修二氏(元 日商岩井)
 全講演の後、丸紅経済研究所の柴田明夫所長が座長となって全講師とパネルディスカッションを行い、テーマ全体の総括が行われた。

 2日間にわたって熱心に聴講されていた受講者からは、非常に広い視野から、また世界各地での経験に触れながら、現在の問題と将来の課題に触れる話が聞けたと好評であった。
 アミューズメントパークについての明星大学での講演に続いて、非常に専門的な領域である「資源と食糧」に、4名の講師を派遣して講演を行ったことは、あらためてABIC会員の幅の広さを示すものと実感した次第である。今後とも引き続き企業や団体の幅広い講演会、研修会のニーズに応え、講師を派遣していきたい。

(大学講座担当コーディネーター 谷川たにがわ 達夫たつお

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