著者は98年から6年間、総合商社のベトナム駐在員事務所長として現地の中小企業育成と日本企業の進出支援を手掛け、04年にベトナムに関する経営コンサルタントとして独立した。その生きたビジネス経験、セミナーや講演、個別相談を基に、ベトナムの投資環境を実務者向けに纏めたのが本書だ。
“中国プラスワン”として最も注目されているベトナムだが、最近は、違法ストライキや労働コストの上昇、インフレの進行などで、生産基地としての魅力を低下させる問題が起きている。著者は「アジアの生産基地としてベトナムはまだ無視できない」と指摘。生産拠点としてのベトナムの優位性と問題点、失敗のない戦略的進出方法から、進出に当たっての物流・工場建設・労務・税務管理、ベトナムリスクとその回避法まで丁寧に解説している。
「したたかなベトナム人」「回帰の心」などのコラムもベトナム社会を理解する上で役に立つ。
(2008年9月1日日刊工業新聞新刊欄より)
【構 成】
第1章 ベトナムを知っていますか
第2章 ベトナムの生産拠点としての存在意義
第3章 日系企業のベトナム進出動向、成功例と失敗例の検証
第4章 ベトナムの加工輸出の特性、委託加工と情報産業
第5章 南北ベトナムの特性、物流および工業団地事情
第6章 ベトナムのWTO加盟と新投資法・新企業法の概要
第7章 ベトナムの会計と税務
第8章 ベトナムの労働法と労務管理
第9章 ベトナムにおける人材育成と労務管理への提言
第10章 ベトナムのビジネスリスクとその回避法 |